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2021年11月 1日 (月)

新・私の本棚 新版 塚田 敬章 「魏志倭人伝から見える日本」 2 サイト記事批判 12/16

 塚田敬章 古代史レポート 弥生の興亡 1,第二章、魏志倭人伝の解読、分析
私の見立て ★★★★☆ 必読好著 2020/03/05  記2021/10/28

*更なる余傍の国
 なお、里程記事で言う女王国以北というのは、奴国、不弥国、投馬国という後付けの余傍の国を除き、對海國、一大国、末羅国、伊都国の諸国に限定されていることは自明です。自明事項は、明記されていなくても、誤解の余地なく示唆されていれば、明記と等しいのです。

 ということで、名前だけ出て来るその他の諸国は、単に添え物に過ぎないのです。その証拠に、道里も戸数も国情も書かれていません。また、当然なので書いていませんが、「国」のまとめ役、「国主」はいても、「国王」はいないのです。「国王」が伝統、継承されないということは、「国」として固く約束しても、個人との約束であり、世代を超えて長続きしはないのであり、帯方郡から見ると、水面に浮かぶ泡沫ということになります。
 倭人伝では、「王」の伝統が不確かな状態を「乱」と形容していますが、どの程度深刻な状態なのかは不明です。倭人伝では、「王」の権威が揺らぐ事態の深刻さを、中原基準で誇張気味に示していますが、「女王」が臣下に臨見することが希では、大した権威は発揚できず、「王位」が戦乱で争奪されるとは見えないのです。
 倭人は、恐らく、長年にわたる親戚づきあい、氏子づきあいであり、季節の挨拶や婚姻で繋がっていて、内輪もめはあっても、小さいなりに纏まっていたものと見えます。

 因みに、後ほど、女王は、狗奴国王と不和と書かれていますが、親戚づきあいしていて、遂に、互いの位置付けに合意できなかった程度とみられます。本来「時の氏神」が仲裁するべき内輪もめなのですが、狗奴国王と氏神たる女王の不和は、仲裁できる上位の権威がないので、それこそ、席次の争いが解決できなかったことになります。

 念には念を入れると、魏朝公式文書、つまり、皇帝に上申する公文書資料に必要なのは、郡から女王国にいる行程諸国であり、他は余傍でいいのです。

《原文…其南有狗奴国 …… 不属女王 自郡至女王国 萬二千余里

2、倭人の風俗、文化に関する考察
a、陳寿が倭を越の東に置いたわけ
《原文…男子無大小 皆黥面文身 自古以来 其使詣中国 皆自称大夫

コメント:大夫論
 官位や爵位は、秦代になって大きく変わり、漢、魏代の大夫は、漢から帝位を奪い周制復帰を行った新朝王莽の一時期を除いて一貫していて、大夫は庶民の受ける低位の階位であって高官ではないのです。

 だから、東夷が勝手に名乗って官位詐称で処罰されなかったのです。万事、思い込みや受け売りの誘惑にまけず、よく調べてからにしてほしいものです。

《原文…夏后少康之子封於会稽……沈没捕魚蛤文身亦以厭……尊卑有差
コメント:更なる小論
 甲骨文字は「発見」されたのではなく、商(殷)代に「発明」されたのです。なお、甲骨文字遺物の出現以前、文字が一切用いられていなかったとは断定できません。甲骨文字のような、厖大で複雑な形状の文字が、体系化されて採用されるまでには、長期の試行期間があったはずであり、公文書の一部に使用されていたと思われるのです。

 因みに、「夏后」は後代で言う「夏王」です。夏朝では「王」を「后」と呼んでいたのです。商(殷)は、夏を天命に背いたものと見たので、「王」を発明したと見えます。以後、「后」は、「王」の配偶者となっています。箕田は、当時の教養人の常識であり、常識に解説はないのです。

                                未完

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