« 新・私の本棚 14 早川 清治 季刊 「邪馬台国」 第35号 「里程の謎」再 1/1 | トップページ | 新・私の本棚 12 中村 武久 季刊「邪馬台国」 第35号 「里程の謎」再 1/1 »

2021年12月 9日 (木)

新・私の本棚 13 道家 康之助 季刊 「邪馬台国」 第35号 「里程の謎」 再 1/1

13 「黄道修正説」は誤りである      道家康之助
  私の見立て ★★★★☆ 堅実、確実な論考            2019/01/29 追記 2020/10/07 補充 2021/12/09

*序論
 一読理解しがたいタイトルですが、我慢して読むと、本論は、一部「トンデモ」倭人伝論ですが、
 『古代人は、太陽観測によって方位測定し、地軸の傾きの角度だけ「黄道」の修正を行っていたため、倭人伝の「東」は、現在言う東北東の方位だったとする理不尽な「黄道修正説」』
 への反論です。ついつい、氏の論旨を誤解させてしまいそうで、恐縮です。

*結論
 当方も時々力説するように、正確な方位は、簡単な太陽観測により容易に検出でき、太古、稲作集団の君主の任務として、春分、秋分を含む二十四節気の精度高い宣言が求められていたことから、当然、日々の太陽南中を観測し、南北方向の劃定、付随して東西方向の劃定を行っていたのです。

 太陽観測というと大層に思えますが、少し噛み砕いて言い直すと、日時計を立てて、影を見るだけでも「南中」が観測できて、南北が確定し、後は、南北線に垂線を立てれば、東西が得られるのです。別に、壮大な石造建築は不要であり、また、高度な科学技術も不要なので特に高度な技術を要せず実現できたのです。
 精度を高めるために、大規模にするとか、長期間の記録を残すとか、状況に応じた努力が注がれていたはずですが、日常の用に適した程度であれば、一㍍程度の棒があれば良く、周辺の建物に、東西南北の表示を木札などで示せば、十分なのです。もちろん、それは、首長の所在でしか示せないのですが、方法さえ呑み込めば、どんな遠隔地でも実施できる物なのです。
 例えば、遠来の使節であっても、滞在地で、木の棒を入手すれば、たちどころに方位を知ることができるのです。初見の地ですから、随員が、たちどころに四方方位を確定したでしょう。
 因みに、手っ取り早い方法としては、日の出~日の入りの方角を直結すれば、それが、東西線であり、東西線に直行する線を引けば、それが南北線なので、大まかに四方を知ることができるのです。大まかというのは、その地で、地平線、水平線が見えないときは、山並みに接する方角しかわからないと言うことですが、それで十分であれば、そのような四方を知ることができるのです。

 つまり、天動説を知らなくても、日時計のある場所の東西南北は明白だったのであり、「黄道修正説」など無用なのです。

 それにしても、理不尽な一説にも理路整然たる反論を行うというのは、素人には徒労と見えるのですが、本論は、労を厭っていないので絶賛するのです。これで、とどめが刺せているものと信じます。
                             この項完

« 新・私の本棚 14 早川 清治 季刊 「邪馬台国」 第35号 「里程の謎」再 1/1 | トップページ | 新・私の本棚 12 中村 武久 季刊「邪馬台国」 第35号 「里程の謎」再 1/1 »

季刊 邪馬台国」カテゴリの記事

新・私の本棚」カテゴリの記事

倭人伝道里行程について」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 新・私の本棚 14 早川 清治 季刊 「邪馬台国」 第35号 「里程の謎」再 1/1 | トップページ | 新・私の本棚 12 中村 武久 季刊「邪馬台国」 第35号 「里程の謎」再 1/1 »

お気に入ったらブログランキングに投票してください


2024年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

カテゴリー

  • YouTube賞賛と批判
    いつもお世話になっているYouTubeの馬鹿馬鹿しい、間違った著作権管理に関するものです。
  • ファンタジー
    思いつきの仮説です。いかなる効用を保証するものでもありません。
  • フィクション
    思いつきの創作です。論考ではありませんが、「ウソ」ではありません。
  • 今日の躓き石
    権威あるメディアの不適切な言葉遣いを,きつくたしなめるものです。独善の「リベンジ」断固撲滅運動展開中。
  • 倭人伝の散歩道 2017
    途中経過です
  • 倭人伝の散歩道稿
    「魏志倭人伝」に関する覚え書きです。
  • 倭人伝新考察
    第二グループです
  • 倭人伝道里行程について
    「魏志倭人伝」の郡から倭までの道里と行程について考えています
  • 倭人伝随想
    倭人伝に関する随想のまとめ書きです。
  • 動画撮影記
    動画撮影の裏話です。(希少)
  • 古賀達也の洛中洛外日記
    古田史学の会事務局長古賀達也氏のブログ記事に関する寸評です
  • 名付けの話
    ネーミングに関係する話です。(希少)
  • 囲碁の世界
    囲碁の世界に関わる話題です。(希少)
  • 季刊 邪馬台国
    四十年を越えて着実に刊行を続けている「日本列島」古代史専門の史学誌です。
  • 将棋雑談
    将棋の世界に関わる話題です。
  • 後漢書批判
    不朽の名著 范曄「後漢書」の批判という無謀な試みです。
  • 新・私の本棚
    私の本棚の新展開です。主として、商用出版された『書籍』書評ですが、サイト記事の批評も登場します。
  • 歴博談議
    国立歴史民俗博物館(通称:歴博)は歴史学・考古学・民俗学研究機関ですが、「魏志倭人伝」関連広報活動(テレビ番組)に限定しています。
  • 歴史人物談義
    主として古代史談義です。
  • 毎日新聞 歴史記事批判
    毎日新聞夕刊の歴史記事の不都合を批判したものです。「歴史の鍵穴」「今どきの歴史」の連載が大半
  • 百済祢軍墓誌談義
    百済祢軍墓誌に関する記事です
  • 私の本棚
    主として古代史に関する書籍・雑誌記事・テレビ番組の個人的な読後感想です。
  • 纒向学研究センター
    纒向学研究センターを「推し」ている産経新聞報道が大半です
  • 西域伝の新展開
    正史西域伝解釈での誤解を是正するものです。恐らく、世界初の丁寧な解釈です。
  • 邪馬台国・奇跡の解法
    サイト記事 『伊作 「邪馬台国・奇跡の解法」』を紹介するものです
  • 陳寿小論 2022
  • 隋書俀国伝談義
    隋代の遣使記事について考察します
無料ブログはココログ