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2021年12月 9日 (木)

新・私の本棚 10 谷本 茂 季刊 「邪馬台国」 第35号 「里程の謎」 再 1/1

10 「周髀算経」の里単位について      谷本茂
  私の見立て ★★★★☆ 議論明快 関連不明             2019/01/31 追記 2020/10/07 補充 2021/12/09

*序論
 冒頭の断定は、丁寧に言うと二段階に別れています。(丁寧に言うしかないように思うのですが、他人の趣味には干渉しません)
 ⑴「周髀算経」に記されている一里は、七十六㍍から七十七㍍である。
 ⑵ 倭人伝に記されている一里は、これとほぼ同じ七十六㍍から七十七㍍である。
 して見ると、一括して断定するのでなく、それぞれ独立して提唱された⑴,⑵の仮説が必然的に連動していると論証するか、それぞれの仮説、特に後者が自立して論証できるかの何れかが急務と思われます。

*結論

 途中の学術的議論は、当方の手の届くところではなく、推論過程に口を挟めるものではないので、本項は、大変簡潔にとどめます。

 率直なところ、本論は、倭人伝里程論とは別世界のものであり、氏が文献から算定した仮称「周里」と古田武彦氏が提言した倭人伝短里が、ほぼ同一長であっても、両者の間に論理的な連続性が見られない以上、そのような関連性が論証されるまでは、偶然の一致とするしかないものと思われます。

 論理的には、まずは、「周髀算経」 は計算問題として明解にたどれるような数字や計算式を設定したのであり、実際実施されていた里を保証するものではないと思われます。そして、魏晋朝代に、同等の「里」が。国家制度として寛く行われていたことを語るものではないのです。
 後者を言い換えると、「魏晋朝短里説」の論拠は何も得られていないことがわかるのです。

 氏には、周朝に於いて、そのような短里が、どのように成文化定義され、各国に徹底されていたものか、また、晋書「地理志」に代表される史書に見られる「周制」に定義された「普通里」といかなる関係があって、あるいは、両者併存していたと仮定できるのか、丁寧に究明する必要/責務があると考えます。

                          この項完

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