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2022年1月17日 (月)

新・私の本棚 渡邊 徹 「邪馬台国への道 ~熊本・宮地台地…..」  1/14 補追

邪馬台国への道 ~熊本・宮地台地に眠る失われた弥生の都~  Kindle書籍 (Wiz Publishing. Kindle版)(アマゾン)
 私の見立て ★★★★☆ 力作 ただし勉強不足歴然     2019/03/30  追記 2020/05/19 補正 2021/03/27 2022/01/17

*総評
 本書は、まことに丁寧な論述ですが、その本質的な問題点は、「おわりに」として末尾に置かれた主張に現れています。
邪馬壹國について語る場合、魏志倭人伝の原文のなにが間違っているかを仮定することが議論の出発点になります。

 率直なところ、この主張は、「自分が正しくて倭人伝が間違っている」という、論証不十分な予断/思い込み/偏見の帰結であり、勉強不足の「独善」/傲慢との非難を免れないものです。
 この断定に至る考察は、当然、本書に綿々と書かれていますが、それにしても、早計による唐突な偏見の感は免れません。「出発点」を求めるとしたら、史料自身から始めるべきではないでしょうか。

 とても大事なことですが、ひとたび、自説に合う原文を仮定して、それにしても「計画的な史料改竄」が加えられて、現在の「倭人伝」が生成されたという暴言を肯定したとき、反論のすべはなく、さらなる改竄が無かったと断定もできず、果てしない迷路に落ち込んでしまいます。
 当方は、本書評で、そのような無意味な連鎖を否定するものです。


*各停批判
 以下、できるだけ丁寧に、各駅停車風に、長々と氏の断言の背景を確かめていくと氏の語彙の揺らぎや語彙錯誤に躓き続けます。そうした難点を一々指摘するについては、同様の「勉強不足」は認識してもらうしかないと見ました。
 いくら言葉を費やしても、言葉が裏切っていれば、言わない方がましで、それが無効なものであれば、かえって、信用をなくすわけです。

 従来は、出版社の編集部が文書校閲して、このような低次元の不具合が紙面に露呈することは無かったのですが、個人編集電子出版でない、一流出版社まで、本書と大差ない無校正に近い出版物を上梓しているので、そのために、渡邊氏が、商用出版物の品格を誤解したので無ければ幸いです。要は、金を取るには、取るに恥じない自律的な規制が必要なのです。

*「道程論」宣言
これは〝道程論〟―――すなわち倭人伝に記述されている道順を実際に辿っていくという手法です。
ところがこの方法は間違いなく幾百人幾千人の人に試されていて、それでもなお結果を出せていないやり方です。それゆえに道程論で邪馬台国の位置を決めるのは不可能だとさえ言われています。(中略)しかし本書は、実はそれが不可能などではなく〝適切な仮定〟さえ立ててやれば倭人伝の道程は無理なく辿ることができて、日本のとある地点に自然に行きつくことを示したものです。

 「間違いなく」と断定しても、早計を当然としていては前提になりません。どうやって先人の数を数え、その諸論を極め、何と比較して間違っていると断定したのか。誠に、虚妄の痴夢と言えます。「無理なく」「自然に行きつく」とは、過去の失敗例里上塗りに過ぎないと受け止められてしまうので。勿体ないことです。
 (望む)「結果」は、現代風誤用で、他説を打倒する「効果」とでも言うべきです。三世紀「道順を実際に辿」るのも、どえれえ(途方もない)ほら話です。他説提唱者は、見果てぬ夢の「実証」でなく、理性に訴える「論証」の里程論に自信を持っているのです。自分の狭い了見で、広い世間を測ってはならいのです。

 古代史論は、「正しければ、真理が自然に世界制覇する」のでなく、要するに、読者に聞く耳が無ければ、それこそ、キリスト教の寓話で、聖人が、鳥や魚に説教するようなものです。それを徒労と感じない者だけが、説き続けることができるのです。

 それこそ、どこの誰かは知らないが、よほどえらい「さる方」のご託宣の丸写しなのでしょうが、「さる方も」、よくぞ、幾百幾千の諸説を余さず検証したものです。一覧表を掲示していただいたら、随分勉強になるのですが、このままでは、単なるホラ話であり、単に、一覧表の末尾に連なるものにすぎません。「証拠を見ない限り信じがたい」と言ったら失敬でしょうか。「無理が通れば道理が引っこむ」の実証に努めているのでしょうか。自虐、自爆は、珍しくもないので、いい加減にしてもらいたいものです。 

                              未完

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