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2022年1月 4日 (火)

新・私の本棚 西村 敏昭 季刊「邪馬台国」第141号 「私の邪馬台国論」

  梓書院 2021年12月刊               2022/01/04
私の見立て ★★☆☆☆ 不用意な先行論依存、不確かな算術

〇はじめに
 当「随想」コーナーは、広く読者の意見発表の場と想定されていると思うので、多少とも丁寧に批判させていただくことにしました。
 つまり、「随想」としての展開が論理的でないとか、引用している意見の出典が書かれていないとか、言わないわけには行かないので、書き連ねましたが、本来、論文審査は、編集部の職責と思います。

▢「邪馬壹国」のこと
 「邪馬台国」誌では「邪馬壹国」は誤字であることに、触れるべきでしょう。無礼です。
 大きな難点は、「邪馬タイ国」と発音する思い込みで、これには堅固な証拠が必要です。半世紀に亘る論争に一石を投じるのは、投げやりにできないのです。

 因みに、言葉に窮して「今日のEU」を引き合いにしていますが、読者がついていけません。2022年1月1日現在、イングランド中心の「BRITAIN」離脱とは言え、北アイルランドの動向が不明とか、ウクライナの加入などが、重大懸案ですから、三世紀の古代事情の連漕先としては、まことに不似合いでしょう。もっと、レジェンド化して、とうに博物館入りした相手を連想させてほしいものです。

*飛ばし読みする段落
 以下、「邪馬壹国」の国の形について議論していますが、倭人伝に書かれた邪馬壹国の時代考証は、まずは倭人伝(だけ)によって行うべきです。
 史料批判が不完全と見える雑史料を、出典と過去の議論を明記しないで取り込んでは、全て氏の意見と見なされます。盗作疑惑です。

▢里程論~水行疑惑
 いよいよ、当ブログの守備範囲の議論ですが、氏の解釈には、同意しがたい難点があって、批判に耐えないものになっています。
 氏の解釈では、帯方郡を出てから末羅国までは、一貫して「水行」ですが、里程の最後に書かれている「都(すべて)水行十日、陸行三十日(一月)」から、この間を全十日行程と見ているのは無残な勘違いです。当時の交通手段で、この区間を十日で移動するのは、(絶対)不可能の極みです。今日なら、半島縦断高速道路、ないしは、鉄道中央線と韓日/日韓フェリーで届くかも知れませんが。

▢合わない計算
 狗邪韓国から末羅国まで、三度の渡海は、それぞれ一日がかりなのは明らかなので、最低3日、多分6~10日を費やすはずです。これで、日数はほとんど残っていませんが、そもそも、600㌔㍍から800㌔㍍と思われる行程は、7日どころか、20日かかっても不思議はない難業です。(潮まかせ、風まかせで不安定な船便では、所要日数は、青天井ですが)
 この程度は、暗算でも確認できるので、なぜ、ここに載っているのか不審です。

▢古田流数合わせの盗用
 氏は、万二千里という全行程を、12,000里と勝手に読み替えて、全桁数合わせしますが、そのために、対海国、一大国を正方形と見立てて半周航行する古田説を、誤謬を丸ごと(自身の新発想として)剽窃しています。

〇まとめ
 氏が、自力で推敲する力が無いなら、誰か物知りに読んで貰うべきです、 「訊くは一時の恥…….」です。 
 それにしても、高名であろうとなかろうと、誰かの意見を無批判で呑み込むのは危険そのものです。ちゃんと、毒味/味見してから食いつくべきです。
 以上、氏の意図は、丁寧かつ率直な批判を受けることだと思うので、このような記事になりました。頓首

                                以上

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