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2022年3月22日 (火)

倭人伝随想 6 倭人への道はるか 海を行かない話 3/7 改頁 唐書地理志談義

2018/12/05 2018/12/07 2019/01/29 追記 2020/11/15 2022/01/16 2022/03/14~17

〇新唐書地理志 入四夷之路(承前)
 いずれにしろ、鴨緑江口からの海行千里は、報告者の実測でなく、現地人の報告に基づく大雑把な推定であっても、慶州への陸行七百里は、官道として長年の実績があり、実務に基づく正確なものと見るべきです。但し、郡から狗邪韓国まで七千里とした倭人伝「道里」は、この陸行里数とは別次元の里数ですから、「混ぜてはならない」危険なものなのです。

 実際に登州から新羅王城に赴く際は、鴨緑江河口部経由の海行一千里の大回りでなく、別資料に登場する唐津(タンジン)に直行したと見受けます。また、同経路は、新羅と青州の間の交易船の航路でもあります。

 慈覚大師円仁の残した「入唐巡礼行記」には、登州に「新羅館」なる新羅在外公館が設けられていたと記録されていますから、隋代から当時に至るまで、新羅の仕立てた便船が往復する主経路だったのです。日本の遣唐使も、新羅との友好関係が維持されていたら、半島内陸行、海峡渡船、大陸内陸行という、安全で迅速な経路が利用できたはずです。

 唐代玄宗期の官制経路と里程ですが、過去に遡って推定可能な堂々たる史実です。この行程が、事項に登場する新羅遣唐使経路になったのは、古来、街道として宿駅まで整備され常用されていたからと思われます。新羅遣唐使の永川から忠州を経た海港への経路も、楽浪/帯方郡時代からの常用と思われます。

 新羅遣唐使は、総じて二百餘次に及び、国内経路は使節宿舎を含め、一級官道整備されていたと思われ、対岸の登州には新羅館もあったとのことです。

〇新羅遣唐使研究~従郡至狗邪韓国の推定
 一方、次ページの専修大学東アジア世界史研究センターの「新羅遣唐使研究」によると、王都慶州(キョンジュ)から中国登州へは、まず、慶北永川(ヨンチョン)骨火館に入り北上、忠北忠州(チュンジュ)褥突駅に至り、ここから、西岸海港へ陸行し登州に出港です。忠州から、南漢江を漢城(ソウル)方面に辿る西北行と忠北清州(チョンジュ)から忠南牙山(アサン)への西行があります。どちらも新羅内七百里の陸行です。当ブログで常用の「普通里」概数である一里四百五十㍍で、300公里(㌔㍍)となります。

*「倭人伝」道里記事考証
⑴魏使来貢 行程考証
 魏使が、登州から渡海して牙山に到来したとすると、上陸後は、東行して清州を経て、竹嶺(チュンニョン)鞍部で小白山(ソベクサン)分水嶺を越え、洛東江上流忠州から洛東江沿いの陸行が、狗邪までの常道と見えます。

⑵帯方郡官道 行程考証
 「従郡至狗邪韓国」として、帯方郡を発する街道/官道は、まずは陸行東行して 北漢江上流に至り、 北漢江沿いの街道を陸行し、あるいは、陸行の一策として川船に揺られて南下して、南漢江との合流部から引き続き南下遡行して、高度を稼ぎつつ南漢江中游(中流)の要地清州で合流したと見えます。

⑶清州狗邪韓国官道 行程考証
 清州から狗邪韓国に至る経路は、帯方郡の視点では、自明であったので、韓伝ならぬ「倭人伝」は「歴韓国」にとどめたものと見ます。
 このように、清州(チョンジュ)は、河川、街道交通の要所にあったことを反映したものと見えます。つまり、街道沿いに宿場が繁栄し、要所の宿駅には、市(いち)が常設され、後に新羅繁栄の根幹、基礎となったと見えます。

                                未完

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