今日の躓き石 囲碁界の悪弊か、主催紙の混迷か、本因坊の「リベンジ」宣言か
2022/04/05
今回の題材は、毎日新聞大阪朝刊14版「総合・文化」面の本因坊戦挑戦者決定報知である。主催紙としては、挑戦手合いへの先触れであり、大変重要な位置付けと思うのだが、最終部分に書かれた暴言が全てをぶち壊している。
多分、署名した記者の創作なのだろうが、自紙の金看板たる本因坊が、直前の他社主催棋戦でタイトルを失ったことに対して、重大な恨みを持って、今回は、血の報復を目論んでいると、わざわざ報道する意図が不明朗である。本因坊は、どす黒い復讐心をかき立てないと、手合いに臨めないような心構えとみているのだろうか。いや、そのように報道することが、自紙の品格に傷を付けるとは思わないのだろうか。二人がかりで、このようなお粗末な下馬評記事を書くとは、困ったものである。なぜ、「棋界最高タイトルに、さらに栄誉を重ねたい」などの格調高い言い方ができなかったのだろうか。言うまでもないと思うのだが、「リベンジ」は、知勇訳聖書で厳禁されているものだから、キリスト教徒以外にも、回教徒にとっても、罰当たりであり、それ故、天の裁きの代行として、報復テロを正当化しているものなのである。
いや、当世は、若者にはやっている「ダイスケリベンジ」が大安売りで、むしろ、気軽に罰当たりなことばを口にする原因となっているのだが、当記事は、「罰当たりな」若者ことばを知ってか知らずか、テロリスト紛いの永久復讐戦思想が語られているのである。カタカナことばの不確かな理解を、勝手にこじつける言い方と理解して書いているのだろうか。
毎日新聞は、天下随一の名声を持つ全国紙であり、当記事は、そのような権威にもたれかかると言うより、ぶち壊すものになっていると感じるのである。
以上
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