新・私の本棚 松井 宏員「わが町にも歴史あり・知られざる大阪」 577
東高野街道 68 柏原~羽曳野市 飛鳥、渡来人の安住地か 2022/06/18
◯はじめに
今回の題材は、毎日新聞の連載コラムであるが、古代史に入り込んでから、トンデモ記事連発なので、世間に誤解を広げるのを放置もできず、口を挟んでいるのである。と言っても、何しろ、当ブログは、有料購読者ゼロであるから、影響力は極めて限定されている(皆目無い)。
*指摘
今回の記事は、以下引用する書き出しで大きく躓くが、ご当人は意に介していないようである。
1973年発行の「柏原市史」を見ていたら、平城京と中国・唐の長安とを比べて、長安への関門・函谷関を竜田道の難所・亀の瀬に、黄河を大和川の瀑布(ばくふ)と激流になぞらえていた。ちょっと言い過ぎじゃないかと思うが、都へ入るには険阻な場所を越えねばならないという点では、共通するかもしれない。
さて、羽曳野市の地図を眺めていて、おやっと思った。「飛鳥」という地名があるのだ。市の南端、太子町との境に。飛鳥は奈良の専売特許だと思っていたが……
いきなり、とんだ偽(にせ)情報(fake news)であるが、「柏原市史」の誤報と言いきれずこのまま指摘する。それにしても、普通のなぞらえ談義と並べ唱える順序が前後逆で、まことに珍妙である。ここは、冗談めかして「言い過ぎ」と褒めている場合ではない。
唐の長安は、黄河流域と言っても支流の渭水沿いで、有名な壺口瀑布は、本流のかなり上流である。とんだ見当違いである。それにしても、大和川に瀑布も激流も無いと思うのだが、勘違いだろうか。
こうした混乱した偽情報・風評を、堂々と紙上で公言するのは、全国紙記者の筆と思えない。(編集部は校閲しないのだろうか)
ちなみに、「専売特許」は、死語の上に当て外れである。「登録商標」と言うべきであるが、それにしても、著名な地名は、商標にできない。記者は、まるで昭和時代の記者言葉の博物館である。
こうして見ると、随分、全国紙も墜ちたものである。記者は、羽曳野市を特許侵害と誹謗する前に、なぜ安村俊史館長に相談しなかったのだろうか。とんだ茶番で、大滑りである。
以下の記事は、偽情報の一環と見ざるを得ない。困ったものである。
以上
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