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2022年7月

2022年7月27日 (水)

今日の躓き石 毎日新聞スポーツ面の悪しき伝統 「リベンジ」変異株発現

                                                  2022/07/27
 今回の題材は、一日遅れで、昨日(7/26)の毎日新聞大阪朝刊第14版スポーツ面、でなく26面「総合・社会面」であるが、スポーツ面記者が、はみ出し記事を書いたとして、以下批判する。多少の筋違いは、ご容赦いただきたい。
 いや、目立つ場所ででかでかだから、当然気づいていたのだが、正直、あきれ果てて、「つけるクスリがない」と見放そうかと思ったのである。鬱陶しいので、一日持ち越してしまった。

 当事例の類いは、随分症例を見ているが、大別して、二種ある。
 一つは、「復讐」の意味で、どぎたなく罵る「リベンジ」であり、国際テロにも繋がる血の復讐の連鎖を褒め称えるもので、大抵の人は、この意味で、つまり、「仇討ち」、「天誅」の意味で使っている。要は、正義は我にあり、敵は滅ぼせという、自己中心の世界観の産物になっている。

 もう一つは、プロ野球界で、日米を通じて大スターであった松坂大輔が広めた、俗な言い回しで、要するに、「もう一丁行こう」と言う軽い意味であるが、大抵は、認識されていないので、先に挙げた「復讐」の意味で理解されていると思う。(最新版の広辞苑に、収録されている)

 若手は、第二の意味で、何の気なしに、口汚い言葉で誌面を汚しているのである。しかし、大きな問題は、書き手と読み手の間で、意味がずれているのである。いや、若手の記者は、仲間内で意味が通じるから、それで良しとしているが、世間のかなりの人々は、違う意味で、「正解」していて、問題が垂れ流しになっているのである。
 もっと卑近な例では、多くの(中高年層の)読者は、「鳥肌が立つ」と言えば、いきなり、背筋に冷水を注がれたとか、ガラスを爪で引っ掻く音を聞かされるとか、大変な嫌悪感を想起させる表現であるが、現代若者言葉では、大変な褒め言葉らしい。
 と言って、全国紙の紙面で、「鳥肌が立つ」と、忌まわしい言葉が氾濫するのは、大変迷惑である。世間が二分されているとして、大変悪い語感の言葉を無神経に書き散らして、読者に、大変不愉快な感じを抱かせるのは、全国紙の取るべき立場でないのは、言う迄も無いと思う。言葉には、いきなり、感情を掻き立てる切実なものがあり、それに気づいていない面々が横行しているようなので、普段、無視している話題について、ことのついでに文句を述べる。

 これまで、毎日新聞の症例で言うと、古手の記者は、第一の意味で捉えていて、世間に蔓延っている第二の意味を掴み損ねていると見えた。「雪辱」などと言う年代物の精神状態に陥っていると見える。
 一方では、霞が関に熱烈な「リベンジ」愛好者がいるのか、「リベンジポルノ」などと、制裁暴露の自分勝手な無法な行為を賞賛するような呼び方が出回っていると見受けた。

 一応、各種症例を回顧したのであるが、概して、つけるクスリがない愚行でしかない。

 今回の例は、「リベンジ誓い」などと迷文句を物しているが、第一の意味なら、不穏極まりない、犯行予告であり、天下の毎日新聞が紙面に載せて良いものではない。と言うか、これは、選手の発言ではないので、全面的に毎日新聞の責任で、汚名を着せたことになる。
 そもそも、この記者は、「セットアッパー」などと、極めつけの出来損ないカタカナ語を平然と使っているから、カタカナ語に大変、天然で弱いのかも知れないが、このあたりを校閲段階で査読するのは毎日新聞の役目であるので、ここでは、「内政干渉」の印象を避ける。

 と言って、第二の意味は、要するに、次回大会に出るのが「リベンジ」であり、別に、全国紙の紙面で、決意表明するようななものではない。
 今大会では、自チームが敗退したものの、勝者によって当人の実力が高く評価されたから、一時的とは言え、チームに参加したのであり、自チームに復帰した後、次回の大会予選で勝ち抜くことができれば、誰に血の復讐を期することもなく、「リベンジ」は成り立つのである。

 もっとも、当人のつもりでは、今大会のように、敗退したチームから呼ばれて、敵チームに補強されたことを一種「屈辱」と感じたように見える。しかし、それは筋違いの逆恨みである。自チームが敗退したのは、時の運であり、敵を恨むべきではない。補強されたのは、当人の実力と姿勢が際だって高く評価されたのであり、言わば「レンタル」(毎日新聞公認用語)で期間限定で移籍した上で、地区代表チームの一員として、第93回都市対抗野球の場に出たのである。
 これは、選手としてのキャリアに於いて、圧倒的に大半の選手にとって願っても得られない輝かしい一ページであり、素直に感謝すべきであり、誰かを恨む筋合いはない。どうか、くれぐれも、勘違いしないで欲しいものである。
 そんなつもりは無いなら、聞く人が勘違いするような言い回しはすべきではない。現に、記者は、選手の発言に「リベンジ」の汚辱溢れる要約を示している。

 そして、毎度のことであるが、全国紙の(スポーツ面)記者は、自分の書いた記事が、選手の理念に疑いを招くような書き方は、断じてするべきでは無い。全国紙の読者は、記者が正確に報道しているとして、選手の実名入り、見出しでかでかの失言を記憶にとどめるのであり、いくら署名していても、記者の名前は記憶しないのである。

 未来ある選手の発言は、選手に相応しい言葉で真意を伝えるのが、記者に与えられた貴重な使命・特権であり、絶大な特権には、絶大な倫理規範が求められると思う。いわんや、極めつけの罵倒発言が選手の口から漏れたとしても、それは、ぐっとこらえて割愛すべきなのである。
 記者は、地震に委ねられた特権を見据えた上で、「報道しない勇気」を持つべきである。

 このクスリが効くかどうかは問わないが、できれば、一掬の差し水で荒れた紙面の一角を潤したいのである。

 これも当たり前のことであるが、当ブログ記事の筆者は、全国紙の大株主や経営者でなく、記者の上司でなく、まして、記者の祖父母、両親でもない。別に、意見を聞く必要はないのである。

以上
 

 

2022年7月20日 (水)

今日の躓き石 J:Sportsの適切なインタビューとぼんくらヒーローのぼけ応答

                         2022/07/20

 本日の題材は、CS J:Sports 1のヒーローインタビューである。

 勝者ヒーローたる投手へのインタビューで、折角、インタビューアーが、選手がつまらない失言をしないように、かんで含めるように、まことに丁寧に「同学年」「同期」と言葉を選んでいるのに、肝心のヒーローが「同級生」と大ぼけをかまして、笑うに笑えないのである。
 因みに、アナウンサーも、当然、正しい言葉遣いを守っている。

 衆知の如く、別に同窓生でもないのに「同級生」というのは、頭の悪い、ものを知らない、寝ぼけた三流タレントの言い間違いだったのが、一時、メディアの底層に蔓延して、情けないのだった。
 十年程度たった今、ちゃんとプロの手で是正が働いているのは、誠に尊敬に値する。ここまで、専ら公共放送の「血祭り」暴言連発を歎いていたが、ちゃんと、言葉の護り人としての務めを理解している人は、健在なのである。

 それにしても、広島の広報は、選手にどのような教育をしているのだろうか。いや、していて、それでも、落第生はいるのだろうが、責任は、そちらに向けるしか無いのである。何しろ、広報は、言葉のプロである。選手が、世間に向けて、時には、全世界に向けて、赤っ恥をかかないように、キッチリしつけをするのが、大事な役目なのである。

以上

2022年7月17日 (日)

今日の躓き石 低落したNHKの報道倫理  陸上世界選手権百メートルに「リベンジ」乱入

                          2022/07/17

 本日の題材は、NHK G、つまり総合の19時のニュースである。堂々たる晴れ舞台に、汚い言葉遣いは似合わないのだが、選手が口走った「リベンジ」なる「ドギタナイ」言葉が、堂々と字幕になって、全国報道されている。ほとんど、放送事故である。受信料返せである。

 どうも、負けるはずのない奴らに負けたのがくやしくて、「次は、仕返しにぶちのめしてやる」と言っているようだが、陸上競技はレーンで別れて走るので、上位に入った六人と再会しても、血だるまにぶちのめすわけには行くまい。子供じみた暴言は、止められなかったろうが、何も、堂々と報道して、世界に恥を曝すものではない。

 負けん気が強いのは当然としても、自己ベストすら出せずに負けたからには、自分が弱かったから負けたと認めるものではないのだろうか。いや、別に、選手でもなんでもない野次馬だが、正直にそう思うのである。これでは、「メンタル」(ヘルス)の健全さを問われそうである。

 公共放送たるもの「選手の不穏な発言を報道して、全国のこどもたちが、どんどん真似するように暴言蔓延に尽力する」べきでは無いと思うのである。

以上

2022年7月13日 (水)

今日の躓き石 NHKが新世代に贈る醜悪な言葉 「復讐旅行」 リベンジトラベル

                    2022/07/13

 いや、夜更かししているとろくな事はない。NHK総合にNABEなる番組があって、その11で「リベンジトラベル」をぶち上げている。良く、「復讐旅行」などと言えるものだ。

 NHKは、血塗られた、汚い、無様な言葉を「若い人」に植え付けるのを使命にしているのだろうか。
 堂々とテロリスト支援しているのだろうか。

 NHKの良識は、どこに消えたのだろうか。「受信料返せ」である。

 どうも、これからは、「NHKから国民を守る」と喚かないといけないのだろうか。

以上

2022年7月 6日 (水)

今日の躓き石 NHKBS1 国際報道2022の邪悪な「リベンジ 復讐」普及策

                       2022/07/06 2022/07/07

 本日の題材は、NHKBS1 「国際報道2022」のとんでもない暴言である。一瞬、「トラブル」かと思ったが、「トラべル」である。
 予測不可能な(NHKでは、「絶対」あり得ない)カタカナ言葉が、突然出て来たので、不意打ちを食らって誤解したのである。

 パッと聞いただけでは、ありがちなこととして、テロ事件などの被害者が、「リベンジ」=復讐の目的でテロリストの母国に乗り込むのが引き起こす「トラブル」=国際問題かと思ったのである。まるで、目下紛糾している関係で、U国難民を仇討ちの刺客としてR国に送り込むようなものである。とても、とても、とても、P大統領に知らせられないと思うのである。

 どうも、字で書くと「リベンジトラベル」のようであるが、この言葉を英語で発言すると、物議を醸すこと請け合いである。よくぞ、NHKBS1が「国際報道」なる番組で堂々と放送するものである。このような刺激的で、度汚い、子供に聞かせられない言葉を、国内だけでなく、国際的に普及させてどうしようというのだろうか。まことに、まことに、まことに困ったものである。

 当ブログには、自主的なコードがあるから、このカタカナ語を、この場で英語で書けないから、回りくどくなっているが、NHKは、何もルールも倫理基準もない無法状態なのだろうか。誰が、次世代を担う子供達を、汚い言葉から守るのだろうか

 それにしても、なぜ、自分の書く言葉が、どんな意味で理解されるか、まことに無頓着で、NHKの番組を製作できるものかと、驚くのである。そして、そのように無神経に制作された番組を、このように無造作に放送するのだろうか。

 だからといって、NHKに自浄作用がないとは思わないので、こうやって、つまらない批判を公開するのである。

以上

 補足すると、NHKが信念をもって「リベンジトラベル」と報道したいのであれば、「復讐怨念旅行」と誰でもわかる日本語訳を付すべきではないだろうか。いや、赤文字にしろとまでは言わないが。

 

 

2022年7月 4日 (月)

今日の躓き石 毎日新聞が蔓延被害拡大「リベンジ」~「球磨川」復興悲願に泥水

                             2022/07/04
 毎度のガセネタ批判であるが、今回は、当ブログに良くあるスポーツ面ネタではなく、「リベンジ」慣れしていない担当記者にとって、大変不愉快な記事になりそうである。題材は、毎日新聞大阪夕刊4版一面のど真ん中だから、夕刊読者には、すぐ目に付く。影響力が、スポーツ面の細切れ記事の比ではないので、それだけ、厳しく言わざるを得ないのである。別に、個人攻撃ではない。その証拠に、署名されてい名前には触れていない。

 いや、ここで批判している問題発言は、現地の関係者の談話であるから、いくら言葉遣いが汚いと言っても、それ自体は、その個人の自由だから、新聞社としてどうしようもない。知らずにご自分の顔に泥を塗っていると言うだけで、別に、地の果てのよそ者が聞きつけて、とやかく言うものではない。と言う言い訳が成り立ちそうだが、それは、随分情けないことになる。

 要するに、発言を聞いた記者が、それは、不適切な発言なので言い換えるべきだと丁寧に説明すれば、ご当人も、失言に気づいて、言葉を選べるからなんでもなかったのである。そうすることで、世間から、忌まわしい言葉の誤解・中毒の犠牲者を、確実に、少なくとも一人減らせていたのである。それが是正というものなのだが、それに記者が気づかず、間違った物言いを紙面に載せたから、事態は深刻なのである。
 これでは、日本中に「リベンジ」中毒患者が一段と蔓延するのである。
 現に、冒頭には、「川を恨むことなく自然と共存して」と切々たる言葉が語られている。全国紙夕刊記事としては、何も付け加えなくて良かったのである。まことに、つまらない失言のためにぶち壊すには惜しい記事ではないだろうか。

 このでかい記事で、水害をもたらした球磨川に血なまぐさく仕返しする「リベンジ」を目的と言われると、「球磨川」商標の譲渡という無上の好意に甘えながら、折角いただいた「球磨川」の名に、べっとりと泥を塗る発言をしたように全国報道されているクラウドファンディングに応じた諸兄姉も、球磨川を恨んで血なまぐさく復讐することに賛同して、大事な寸志を届けたのではないと思う

 そのような発言は、本位ではないと思うのだが、紙面には、そう書かれている。それは、「リベンジ」が、毒々しい、忌まわしい呪いの言葉だと知らない担当新聞記者が、何も考えずに誌面を汚したものであり、最終的には、そのような不都合な記事を配布した全国紙たる毎日新聞社の責任と言える。担当記者が、正しい言葉遣いを厳命されていて、それに背いたための失態としても、最終責任は、毎日新聞社にある

 それにしても、毎日新聞社には、紙面審査も、紙面校閲も無いのだろうか。

 毎日新聞社は、当記事に関し訂正記事を掲載し、合わせて、発言を「誤報」された方に謝罪すべきであろう。
 折角、気持ちをこめて発言したのに、深意に反する報道をしたのだから、それは、「真実の報道」という使命に背く重大な誤報である。

以上

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