今日の躓き石 NHK BS-1の「のんき」な誤解加担 紛らわしい「ゴールドグラバー」
2022/08/19
今朝のNHK BS-1のMLB中継で、解説者から「ゴールドグラバー」が出てきたが、大半の視聴者は、Gold Glove Award(ゴールドグラブ賞)の受賞者『GOLD GLOVER』(デタラメ カタカナ語)と思ったのではないか。いや、この単語自体は、時に現地放送で出て来るから、一種「通称」と思うのだが、大半の日本人には、詳しい説明無しで、正確に理解できないはずである。
つまり、生煮えのカタカナ語「ゴールドグラバー」は、”Gold Grabber”であって、”Gold Glover”ではない。大体、日本では、Gloveを「グローブ」と呼んで、棲み分けているので、「ゴールドグラブ」も、生かじりのカタカナ語なのである。複合汚染であるが、NHKは、事態を認識しているはずである。
つまり、英語では、頭の「G」だけ共通で、全体にまるで違う発音でも、カタカナにすると同じ、日本語の発音も同じなので、日本人には、自然な誤解かも知れない。それにしても、NHKほどの権威の持ち主、公共放送が、安易に誤解を広げては、怠慢と見える。
現に、日本での誤解のせいか、ほぼあり得ないGold Gloverで、検索ヒットしそうである。無理が通れば道理が引っ込むのだろうか。
ちなみに、賞の名前は、”Rawlings Gold Glove Award"であり、がっちり商標化しているはずである。いくらNHKでも、冠スポンサーを飛ばしてタイトルを引用するのは、感心しないのではないか。
NHKとしては、この間の事情を整理した上で、解説者、つまり、用語事情の素人に丁寧に説明して、とりあえずは、MLB関係番組内で、紛らわしい「ゴールドグラバー」を使わないにこしたことはないのである。世間が、鈍感で誤解を撒いているのに、NHKが加担することはないのである。
*巨大な負の遺産~再発防止の提案
最近のNPB中継で、コメント募集のお題に「ナイター」が登場してしまい、中継放送では、解説者共々、基準に従い「ナイター」と言わずに「ナイトゲーム」という、大変ご苦労様な対応をしていた。それにしても、俳句の季語になっている(らしい)「ナイター」に、静かに引退いただき、ひっそりと廃語にするのは、今後百年かかっても、不退転の意気で挑むにしても、何にしても、かくも困難を伴うのである。
たちの悪い誤解は、自然に聞こえるものであり、それが広がってしまうと、地に根が生えて退治しようがなくなり、世代交代によって自然消滅するのを待つしかないのである。
もう一つ困った誤用を「歴史」上に蔓延させないために、公共放送関係者ご一同には、くれぐれもご自愛頂きたいものである。
いや、民間放送各局にしても、無頓着でいるわけではなく、一部の心ない怠け者数社以外は、言いたくてたまらない「ナイター」を口にしないように、絶大な努力に挑んでいるのである。
以上
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