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2022年8月23日 (火)

今日の躓き石 毎日新聞社報道倫理崩壊を歎く 「わが町にも歴史あり」 2/2

 知られざる大阪 /580 東高野街道/71 藤井寺市~羽曳野市 古墳覆う秘密のベール /大阪 2022/07/30 投稿2022/08/23  

*記事引用/批判 承前
 中国の史書に出てくる5世紀の「倭の五王」の最後の「武」が雄略とされ、自らを「治天下大王」と称し、中国・宋への上表文で、勇ましく国を平らげたと誇った。専制的で暴虐とされる一方で、万葉集の冒頭に恋の歌が掲載されているのは、雄略が画期の大王で後世にも特別視されていたからだろう。

コメント:
 出典不明、自身で情報検証したのか不明瞭な風評記事である。
 それはさておき、当記事が「言っている」のは、別の不確かな墳墓に付け替える不確かな憶測に過ぎないので、宮内庁を断罪する根拠となり得ないのである。

*妥当な批判
 在野の意見を反映していると見られるWikipediaは、当遺跡の核心を冷静、かつ丁寧に説いている。
 実際の被葬者は明らかでないが、宮内庁により島泉平塚古墳と合わせて「丹比高鷲原陵(たじひのたかわしのはらのみささぎ)」として第21代雄略天皇の陵に治定されている。

コメント:
 当墳墓を「前方後円墳」である「雄略天皇墓」と解するのは、学術的に謬りと思われるが、それで、宮内庁に「謬りが多い」とは断罪できない。

*隠された日本書紀崇拝
 以上引用を含め、記者は、神がかりで宮内庁を「間違いだらけ」と断じ、すらすらと天皇名を述べるが、雄略天皇が五世紀に実際に存在した「天皇」であって、その遺体が「岡ミサンザイ古墳」なる古墳に埋葬されたとは、記者が「言っている」に「過ぎ」ない。論外と見える。

 それにしても、全体を裏書きしていると見える第三者研究成果の無断引用は不法行為ではないか。毎日新聞社に報道倫理は適用されないのだろうか。

*カルトか、お「カルト」か
 暴言に取り合うのも馬鹿馬鹿しいが、「研究者の多く」の「研究者」は、何者で何人いて、そのうち何人がどのように記者と気脈を通じて、古代史論を交わす「研究者」カルトか、あるいは、敬称付きで「お「カルト」」か、を形成しているのか。
 いくら「うちわ」受けしても、学術的な正確さは問えないのは、自明ではないか。

 このあたり、カウンセリングで強迫観念を治療した方が良いのではないか。

*宮内庁書陵部賛
 宮内庁書陵部は、国家公務員の倫理に従う献身的な研究者を擁し、国費によって陵墓を研究、管理する専門部であって、日本国民のために、陵墓管理に身命を賭している。古来の文献を継承しているのと合わせて、新たな知見により、豊富な研究を重ねている。在野の「研究者」の浅知恵の及ぶところではないのに気づかず、あるいは、確認せず、「間違いだらけ」と一刀両断するのは、無責任である。

*等閑(なおざり)にされている報道の本分
 付記すると、宮内庁の治定のおかげで、当陵墓周辺の道路整備、住宅地開発などの公共事業に重大な制約が出ているのは周知である。
 地方版記者は、現地事情を熟知しているはずであるから、毎日新聞は、公共事業に、重大な制約が出ている事を報道し、本件の是正を端緒に、全般的な再考を求めるのが、新聞社のなし得る国民への最大の貢献ではないだろうか。

 場違いな紙面で、おおぼらを吹くのは、論外ではないか。

*公僕の本分
 国家機関に勉める者にとって、国民の福祉増成が最優先の筈である。各人の給与は、個人口座に自動的に振り込まれるかも知れないが、それは、神がかりのもの(タナボタ)でなく、全国各地で生業に勤しんでいる納税者の浄財の一端である。国家公務員各位は、誰に貢献すべきか、再考いただきたいだけである。

                                以上

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