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2022年10月12日 (水)

私の意見 英雄たちの選択 ニッポン 古代人のこころと文明に迫る 再掲 13/17

ザ・プレミアム 英雄たちの選択新春SP▽ニッポン 古代人のこころと文明に迫る [BSプレミアム]
私の見立て★★☆☆☆  2018/1/3   2018/02/03記 復元再掲 2021/07/19 補充 2022/10/11

*「邪馬台国」論
 ここまでの議論は、遺跡・遺物に基づく文献のない考古学的な議論なのだが、ここだけは、同時代文献が残っていて、その解釈に議論が集中するはずなのである。つまり、遺物考古学は、確たる文献の前では、一歩下がるものなのだが、当番組は、考古学的憶測のべた塗りである。
 ここに「邪馬台国」が来るのは、纏向墳丘墓が、卑弥呼遣使を時代的に遡るという一説に基づいているようである。しかし、「魏志倭人伝」では、中国側の窓口として倭を含む東夷との交流を管理した帯方郡は、纏向政権との交流を記録していないと見る。この難点は、重大である。
 帯方郡が消滅した後は、中国側に詳しい記録がないから、好きなように言えるのである。

※迷走・誤読の海
 「邪馬台国」論は、いきなり、「倭人伝」の誤読に始まる。と言うか、勝手に「後漢書」など後世編纂史書を取り込んだ、と言って失礼なら、自己流の創作を持ち込んでいる。過去一世紀に余る集団創作活動の成果であるから、多種多様な手口で、高く、低く、深く、浅く、掘り下げている。其の壮大な偉業には、理屈抜きで感銘を受けるとともに、それ故、絶対不屈、断じて不退転の意気を見てしまうのである。しかし、学術的な論義は、行きがかりや力業で決まるものではない。
 「倭人伝」に基づく議論というならば、三十国乱立も、七、八十年の「倭国大乱」も、各国総意の女王擁立も、全てが文献に根拠を持たない創作である。そうした大げさな表現の出所は、笵曄「後漢書」倭伝であるが、表向き、陳寿「魏志」「倭人伝」だけが史料と言うことで、その点に触れていない。言い古された事項だが、「邪馬臺国」も「後漢書」にあって、「倭人伝」にはない。つまり、これも「創作」である。もちろん、「創作」は「ウソ」などではない。
 このように、出発点で大量の「創作」を持ち込むのは、「倭人伝」にない広域政権を土台にして、各説を展開したいという下心の表れなのだろうが、ちょっと行き過ぎている。と愚考する。

※卑弥呼の出自
 不毛な所在論を飛ばして、「卑弥呼の出自」を論じようというのだが、問題点がなおざりにされて各論言いっぱなしである。と愚考する。当番組は、ここまで、しきりに纏向政権を拡大投影しているが、当該政権の実力として、瀬戸内、中国路を通じた九州支配も当然としているようである。ことは、信念の問題で無く、学術的な論証を要するのであるが、裏付けが無くて、提示できないという事なのだろうか。
 司会は、三世紀冒頭の世相のように言い立てるが、その時点で、北九州の伊都国と中和の纏向政権が一体化して、連合国家を形成していたというのは、更に一段と裏付けの無い話であり、到底、立証が無理な話と思う。
 そもそも、「倭人伝」を読む限り、この時代、倭の諸国は、主要国を除けば、王統の確立していない、不確かな寄り合いであり、とても「国家」などと呼べるものではなかったはずである。大半が国家になっていない集落が、多年に亘って互いに争い覇権を求めるというのは、単なる幻想である。と愚考する。
 そもそも、倭の国々が、全て王制を確立、継承していたというのは「後漢書」の「創作」である。司会は、無造作に諸国王と言うが、勉強不足の誤解発言である。と愚考する。

 「倭人伝」を虚心に読めば、「男王」に諸国不満となったとき、「男王」の親族で終生独身の巫女として勉めていた「一女子」を、主力数国が、挙って支持したと見て取れる。いや、「男王」すら、自身の孫の世代に譲ることで、得心したと見える。
 冷静に見ればわかると思うのだが、鬼神、つまり、諸氏族共通の祖霊に仕えることは、王族子女でなければ許されないのである。つまり、「一女子」の身元は、この上もなく確かだったのである。
 このあたりは、到って視線な推定と思うのだが、当番組を含めて、ほとんど聞くことがない。 

                     未完

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