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2022年10月12日 (水)

新・私の本棚 番外 英雄たちの選択 ニッポン 古代人のこころと文明に迫る 再論2019 7/7 改

私の見立て ★☆☆☆☆ 壮大な空転 2017~2019/01/03  記 2019/01/13 追記 2021/01/03 2022/10/12 2023/11/23

*NHKの低俗化を憂う 
 今回、NHKの近年の古代史番組制作姿勢について手厳しく批判しているのは、以上のような愚行が、近年NHKの方針として進められている(と思える)からです。また、愚行の背景に窺えるNHKの古代史解釈に大変不満だからです。

*NHKの偉業紹介
 現時点(2022年)、NHKの公開アーカイブで、次の番組を見ることができます。制作時点の最新成果と考古学者の知見が提示され、無理な理屈づけとは無縁なので、安心して見ることができます。
 NHKオンデマンドサービス(有料)で随時視聴可能です。
Ⅰ NHKスペシャル よみがえる邪馬台国 全三回 1989年
 *吉野ヶ里遺跡が中心
Ⅱ NHKスペシャル “邪馬台国”を掘る     2011年
 *纏向大型建物が中心

 それぞれ、当時のNHKの総力を上げた、最善の労作と見え、取材動画に、それぞれ斯界の権威の見解を求めて、公共放送の面目躍如の手堅い番組で、これからも、かくあっていただきたいものです。
 いや、古代史学者の森浩一氏は、Ⅱの番組すら、拙劣と酷評しています。恐らく、纏向関係の報道が、特定の学派の提灯持ちに堕している」のを歎いたものでしょう。いや、森氏は、「貴重な国費が、根拠の不確かな考古学活動に、堂々と費やされている」ことを歎いていたと見えます。国費の出所は、善良な市民/庶民の納税したものに違いないのです。関係者は、自身の真の顧客(庶民納税者)を欺いて、終生、天に恥じないのでしょうか。

追記:「驚き桃の木」 2023/11/23
 今日見返して分かるのは、当時、纏向遺跡の桃種発掘の様子が紹介されていることです。いや、遺跡発掘で、貴重な発掘成果が、適切な扱いを受けずに等閑(なおざり)にされているのが、報道されているのです。
 三千個に上るという遺物は、もともと廃棄物として投棄されていたのか、大事な役目を果たした「厄落とし」として埋設されていたのか、素人には知る由もありませんが、少なくとも、深い坑に順次持ち込まれているので、考古学の遺物調査の常道として、遺物の層を、例えば、20㌢㍍ごとに順次取り出して、少なくとも、階層/位置を明記して資料保管されるべきであり、遺物とその周囲の泥を、全数が無理としても各層九ヵ所でも、明記して保管すべきであったと思われるのです。もちろん、現代のことですから、都度、「記念撮影」するものと思うのですが、どうでしょうか。

 そのように堅実な遺物管理がされなかった(らしい)というのは、当時の発掘当事者が、ここを単なる「ゴミため」としか見ていなかったと思われます。報道カメラの前で、水道水で洗ったと見える桃の種をぞろりとシートの上に並べているのが見えたからです。

 要するに、当時の発掘は、山師紛いの一発打開願望で「親魏倭王」の金印探しに熱中していて、誠実な考古学遺跡の発掘になっていなかったということでしょう。風聞ですが、望む成果が出るまで地域を発掘し尽くす」という壮大な抱負が纏向の総帥から示されていたようです。
 自費ならぬ公費の継続的な投入というのは、何とも壮烈ですが、納税者の立場では、国費の継続投入を正当化できるものではないと見えます。もう半歩進めると、所望の成果が出てしまうと、大規模な発掘事業は打ち止め/終焉となるので、事業を持続するためには、「余り早く見つけるなよ」という示唆とも見えます。

 衆知の如く、後年、これら桃の種が年代鑑定試験に曝されましたが、個々の遺物標本の埋蔵深さが分からないから、その標本が最下層にあったとも、表層付近で後年追加されたとも、わからないのです。また、個々の遺物の周辺の泥を残していれば、泥に含まれる有機物の鑑定で、埋蔵された年代が特定できたのですが、桃種自体を計測せざるを得なかったため、埋設された年代を特定できていないという弱みも呈しています。

 おかげで、年代鑑定が所望の結果を示すように、測定方法と測定結果の考証に多大な労苦を要しながら、遂に、確定的な結果を示すことができず、国際的な測定基準の信頼性にまで言及したようです。恐らく、依頼者の所望の結論が出なければ、以後、研究を委託しない、費用を支払わない」とでも指針が示されたのでしょうか。誠に、土壇場の悪足掻きとしか見えないのです。
 NHKの客観報道は、当然、そのような情景の描写を含んではいませんが、十分に明瞭に示唆しているように見えるのです。

 追記終わり

 それはそれとして、素人目にも、NHKは、相談する相手を間違えているのではないかと懸念されます。国民の支払う受信料は、特定の学派の保身に費やすのでなく、意義ある番組制作に投入する方が良いのでは無いでしょうか。それとも、多額の国費が費やされている事業を提灯持ちするのが、公共放送の任務とみているのでしょうか。

*NHK古代史番組低俗化の由来か
 今回の番組は、散発的な発掘成果から生じた「一説」を、論証も何もないままに、そして、てんでバラバラに、機械的、かつ強引に全国に塗りつけて、確たる定説と見せかける暴挙であり、各地で真摯な発掘活動を続けている関係者まで巻き込み、大変迷惑なものです。日本列島の考古学分野では、長年、着実に、古代史像を築き上げたものであり、そのような伝統的な考古学を「なし崩し」にしている動向は納得できないのです。

 NHKは、当番組制作に大変な経費を投入した手前でしょうが、臆面も無く、つまり、無反省で、連年年始に再放送していますが、NHKの変節が古代史界に悪影響を振りまいているのでなければ幸いです。それとも、ここで素人が批判しているような意見は、どこからも寄せられなかったのでしょうか。

 このような粉飾で、各省庁から毎年確実に関係予算を得ているとしたら、所管官庁も予算査定部門も、悉く「子供扱い」されているのであり、一納税者としては嘆かわしいものと考えます。

                                以上

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