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2023年1月21日 (土)

新・私の本棚 番外 白石 太一郎 「考古学からみた邪馬台国と狗奴国」 再掲 1/1

  吉野ヶ里歴史公園 特別企画展記念フォーラム「よみがえる邪馬台国『狗奴国の謎』」講演記録 2012年10月13日
*私の見立て ★★★★☆ 重大な資料                   2019/11/01 補充 2023/01/21

□総評
 ここに批判するのは、白石太一郎氏(大阪府立近つ飛鳥博物館館長[2004~2018]2019年当時名誉館長)の席上講演の冒頭ですが、現代「考古学者」が、文献史学に対して抱いている先入観と、考古学「研究成果」がどのような背景から生み出されているかを物語るとして、引用しています。

 素人目には、単なる我田引水です。『氏が古墳研究成果を粉飾/化粧して、三世紀に「近畿の大和を中心に西は北部九州に及ぶ広域の政治連合」を創造した』ことは、古代史学に対して絶大な脅威です。
 その結果、「邪馬台国」「畿内説」は「研究成果」に迎合し、これを妨げないように、文献史学の(様々の)問題が巻き起こされ、今も、妖怪の如く古代史界を徘徊しているのは、なんとも痛々しいのです。

 是非、偉大な業績に相応しく、考古学の本分に目覚めて、晩節を正していただきたいものです。

*講演引用と批判
 『魏志』倭人伝にみられる邪馬台国や狗奴国をめぐるさまざまな問題は、基本的には文献史学上の問題である。ただ『魏志』倭人伝の記載には大きな限界があり、邪馬台国の所在地問題一つを取り上げても、長年の多くの研究者の努力にもかかわらず解決に至っていないことはよく知られる通りである。

 専門外の文献史学に対するご指摘は、氏の内面の暗黒を物語っています。
 「邪馬台国の所在地問題」は、素人目にも、史学上、唯一最大の「課題」ですが、素人目にも、考古学の暴威によって、倭人伝の文献解釈が大きく撓められて、文献史学による合理的で単純明快な「問題」解明が妨げられ、世人の疑惑を招いているかと見えます。ひょっとして、氏に煽動/鼓舞された戦闘的/政治的「考古学」が、抗するすべを持たない「文献史学」を、どうにも克服できない窮地に追い込んだことに、お気づきではないのでしょうか。

 一方最近では考古学、特に古墳の研究が著しく進み、定型化した大型前方後円墳の出現年代が3世紀中葉に遡ると考えられるようになった。その結果、3世紀中葉頃には近畿の大和を中心に西は北部九州に及ぶ広域の政治連合が形成されていることは疑い難くなってきた。

 実に壮大で、湯気を上げているように見える「画餅」ですが、按ずるに、専門外の文献史学に対するご指摘の様相は、現代の文献史学界が、各人の言いたい放題になっているように見えているだけであり、二千年近い過去の書「倭人伝」に現代人を惑わす「限界」などないのです。このように泥沼化したのは、氏の指揮棒に踊らされている「研究者」の責任です。後世、何と評され、どんな「悪名」を供されるのか、怖くないのでしょうか。

 困難は努力によって乗り越えるもので、力まかせに無根拠の幻想を捏ね上げ、思い込みを正当化するべきではないのです。時節柄、節にご自愛下さい。

 したがって今日では、こうした考古学的な状況証拠の積み重ねから、邪馬台国の所在地は近畿の大和にほかならないと考える研究者が多くなってきている。

 学術的な議論の動向は信奉者頭数で決めるのではなく、物証なき憶測に重みはないのです。お手盛り発言に疑いを抱かない「研究者」は死んだも同然です。「研究者」は、白石御大の声の届く、見通し範囲、ご自身の弟子でしょうか。「犬が西向きゃ」で、まことに素人くさい我田引水です。

 御大がご自身の存在価値/経済効果を実証したいのなら、お手盛りや挙手でなく、「解散総選挙」の無記名投票の実数を報告すべきです。
 投票に訴えても、パワーハラスメント、党議拘束懸念が濃厚で重みに欠け、匿名回答が必要です。でなければ、学問上の意見と思えません。

 ここではそうした最近の考古学的な研究の成果にもとづき、邪馬台国と狗奴国の問題を考えてみることにしよう。

 そのような手前勝手などんぶり勘定を、「研究の成果」と呼ぶようでは、白石氏の唱える「考古学」は、まことにうさん臭いのです。
 自信の無い見解を、殊更強弁するのは、内面の混乱を露呈して、自滅行為です。

                                以上

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