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2023年1月31日 (火)

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ウィキ 「古代史の散歩道」2023/01/28 当記事 2023/01/31

*解釈変調
 ここで、鳥越氏の解説を修飾しているが、原文を普通に、そのまま解釈すると、最終的に、裴松之が補注して成った「三国志」と断定しているのであり、氏が「三国志」と解しているのは、裴注の付されたもので有ることは明解ではないか。このあたり、鳥越氏の文意が読み取れないのであれば、もう少し謙虚に論じるものと思う。

 論者が『』で規定したという事は、学術的に『原本三国志』と『裴松之補注版三国志』が区別されるとの主張のようであるが、ここは、鳥越氏の著書の考察であるから、本書から用例を提示頂きたいものである。

「どのような「新しい」陳寿が知らなかった史料が発見されたのか根拠不明です。むしろ、陳寿がそれらの史料を審議した上で、採用せず割愛、ゴミ箱入りにしたと見えます。実地に判断すべきなのです。」(参考文献4)と万年好奇心少年は書く。その陳寿の知らない史料とは、たとえば王粲他編『漢末英雄記』、習鑿歯著『漢晋春秋』」、『魏武故事』、虞溥著『江表伝』などが挙げられよう。「陳寿がそれらの史料を審議した上で、採用せず割愛、ゴミ箱入りにした」(参考文献4)と万年好奇心少年が書くのは根拠がない断定である。

 当方は、鳥越氏が主張される「「新しい」陳寿が知らなかった史料が発見された」成る断定に疑義を投げかけただけであり、分量として原典に数倍すると明言していることから、文字数評価は不合理と指摘しているだけである。

 ちなみに、裴注の中でも、魏志第30巻の末尾に追加されている魏略「西戎伝」は、相当する魏志「西域伝」が存在しないから、0字に対して4000字余りが付注されていて、分量比は計算不能である。

 陳寿の一世紀半後進である裴松之が参照した資料の中に、陳寿が知らなかった「新しい」史料は当然あるだろうが、全体として、陳寿が、熟読吟味の上、不要と考えて「没」にした史料が少なからずあるという主張自体は、十分に合理的と考える。陳寿が棄却したと見ても独断ではないだろう。

*中国史官たる陳寿の使命感
 そもそも、基本に立ち返ると、陳寿は、帝国内の文書担当の手で、書き上げられ、承認を得て奏上され、然る可く皇帝の承認を得た「公文書」こそが「史実」で、これを正確に後世に残すのが使命と考えていた「史官」である。
 魏志で、東夷伝、特に「倭人伝」に関して、「史実」に不備がない限り、当時、洛陽に継承されていた「公文書」を引用したと見るべきである。これは、基本の基本であるので、異論があれば、根拠を提示頂きたいものである。

 「翰苑」残簡の倭伝部の魚豢「魏略」所引は、それは、偶々、(正確と検証されていない)引用文が編者の手元にあったと考えられる。「翰苑」編纂者は、「史実」の正確な継承を任務としなかったので、正確性の程は疑問である。その証拠に、「翰苑」は粗雑、つまり、低級な誤記、誤写が濃厚に散乱し、「それが較正/訂正されていない」事が、「翰苑」残簡史料批判のほぼ全てである。「翰苑」所収「魏略」佚文は、一切「信じてはいけない」と言うべきである。

 因みに、一部にある「魏略」私撰論は、とんだ言いがかりである。当時、部外者が公文書庫に立ち入って史料を渉猟するのは死罪であったから、魏略編纂は、史官たる魚豢に許容されていたと見るべきである。
 ここで、自明事項を端的に言うと、何事も例外はあり、例外があることが強固な論証であるという意見もあることを指摘しておく。

                                未完

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