« 新・私の本棚 藤井 滋 『魏志』倭人伝の科学  新釈 1/3 | トップページ | 新・私の本棚 番外 上村 里花 毎日新聞 「邪馬台国はどこにあったのか」 賛辞再掲 »

2023年1月16日 (月)

今日の躓き石 毎日新聞記事批判 「わが町にも歴史あり・知られざる大阪」 /588

東高野街道/79 藤井寺市、羽曳野市 古墳巡り被葬者推理 /大阪  2023/01/14      2023/01/16

 古代史の話題になると脱線する毎日新聞記者は、またも暴言である。
宮内庁が指定する雄略陵は、津堂城山と岡ミサンザイの間に位置する島泉丸山古墳(同市島泉)だが、ここはその名の通りの円墳。この当時の大王墓は巨大前方後円墳なので、見当違いだ。

Wikipediaは、「丸山古墳」に関し以下の如く述べている。
 この丸山古墳は、出土埴輪より古墳時代中期の5世紀後半頃の築造と推定される[1][2]。古市古墳群では唯一の大型円墳である点で特筆される古墳になる[1]。被葬者は明らかでないが、前述のように現在は宮内庁により第21代雄略天皇の陵に治定され、隣接する島泉平塚古墳と合わせて前方後円形に整形されている。ただし立地・墳形・規模の点では疑義も指摘されており、雄略天皇の真陵を他古墳に求める説も挙げられている。

 あくまでも「疑義」であり、治定訂正はされていない。「推定無罪」原則から「疑義」が立証されるまでは、宮内庁治定が「正しい」とみるべきである。

 同記事に付説されているように、当該墓陵は、江戸時代以来の多年/多大な学術的考査の結果、適法、かつ、学術的に妥当な内容で公式治定されている。決して、記者の告発のように、「宮内庁」が「見当違い」に治定しているのではない。
 端的に言うと、毎日新聞が掲載した当記事の「断定」表現は、誰が見ても宮内庁誹謗である。

 少なくとも、全国紙なる報道機関の担当記者は、合理的な権限無しに、かつ、学術的な摘発無しに、単なる「臆測」に基づいて、全国紙の紙上で誹謗中傷すべきではない。毎日新聞は、多年の報道活動で、読者から絶大な信頼/信用を得ていて、今回の記事も、「真実の報道」として、受け入れられるものと想定されている。在野の無名の情報源、例えば、当ブログのように、世に知られることなく埋もれるものとは、比較にも何にもならない、絶大な権威なのである。本来、報道人として、責任重大と言うべきなのである。
 要するに、当報道は、宮内庁に対する「威力業務妨害」に類するものであるが、従来、宮内庁が、従来あえて訴追しなかったために、かくの如き暴言が出回っているものと見える。いやこれは、あくまで一民間人の推測であるが、そのようななれ合い紛いの行動は、納税者に対する背信行為と見えることを申し添えておく。

 本件は、不適切な報道であり、毎日新聞社は、謝罪/訂正を行うべきである。(社告せよとまでは云わない)
 
 念のため確認するが、当ブログ記事で摘発しているのは、毎日新聞社が流布した根拠の無い風評報道(「フェイクニュース」発信、拡散。「ファクトチェック」の欠如)であり、「当該報道の客観的な当否」を云うものではない。

 因みに、宮内庁の担当部門は、内閣府の一部局である宮内庁「書陵部陵墓局」であり、常識的には、其の言動/挙動に異議があれば、まずは、当該部局に是正を働きかけるべきであり、いきなり、全国紙上で「宮内庁」を指弾するのは、非常識、乱暴、かつ「見当違い」である。
 因みに、同記者の宮内庁誹謗は、今回記事が初出例ではない。

 ついでながら、「宮内庁」は、ここに称されている「巨大前方後円墳」なる「俗称」でなく、あくまで、「墓陵」として治定している。
 同記者の報道陣としてふさわしくない無思慮な勘違いは、毎日新聞社として、早急に教育/是正すべきであろう。


                                以上

« 新・私の本棚 藤井 滋 『魏志』倭人伝の科学  新釈 1/3 | トップページ | 新・私の本棚 番外 上村 里花 毎日新聞 「邪馬台国はどこにあったのか」 賛辞再掲 »

今日の躓き石」カテゴリの記事

毎日新聞 歴史記事批判」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 新・私の本棚 藤井 滋 『魏志』倭人伝の科学  新釈 1/3 | トップページ | 新・私の本棚 番外 上村 里花 毎日新聞 「邪馬台国はどこにあったのか」 賛辞再掲 »

お気に入ったらブログランキングに投票してください


2023年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

カテゴリー

無料ブログはココログ