新・私の本棚 番外 ブログ記事 makoto kodama「古代史の散歩道さんへの返信(その二)」2/6
邪馬台国探訪「古代史の散歩道さんへの返信(その二)」 2023-02-18 19:08:37 初稿 2023/02/19
*「イロハのイ」
「倭人伝」解釈の根底、「イロハのイ」として、七世紀の後世文書である隋書の記事は「根拠」たり得ないのです。まして、誤解、誤訳に満ちた『貴兄の「当然」は信用できない』と見る「根拠」です。「つまり」以降も、貴兄の個人的な随想に過ぎません。失望するだけです。不勉強過ぎと言わないといけないのでしょうか。
その根拠として、伊都国は「郡使の常に駐する所」と記されており、倭国を訪れた(仮の)帯方郡使は必ず伊都国に駐在していたはずなのです。
ここでも、とくに意味があると見えないのに用語、構文を操作して「うさん臭い」のです。例えば、郡使は、「行人」つまり、往き来する官人であって「駐在さん」ではないでしょう。郡太守の代理人が常駐していたら、倭王が皇帝に直訴するはずはないのです。古代史の常識として。
それに対し、「郡より女王国に至ること萬二千余里」の文は、実際に倭国の王都・邪馬台国を訪問した魏の正使梯儁らが、自らが辿った帯方郡から邪馬台国迄の距離を計測し、帯方郡に報告した話を陳寿が採用したものと思われます。
因みに私は、「南水行十日陸行一月」と書いたのは、景初三年に倭使を倭国に送還した(仮の)帯方郡使であり、「郡より女王国に至ること萬二千余里」と書いた魏の正使梯儁らとは異なる別の帯方郡使だと考えています。
貴兄の私見が述べられているだけで、合理的な根拠が示されていないのには失望しました。
既に述べたように正始「魏使」が洛陽を発つ前に全所要日数が皇帝の元に報告されていたものと見るのが合理的な常道です。「万二千里」は、倭使の上洛を認める前提として、「遅くとも景初年間に皇帝に報告されていた」と見るのが、合理的な常道です。
魏は、秦漢以来の国家制度を継承、維持していたので、正体不明、所在不明の蛮人を洛陽に呼びつけるはずはなく、まして、帝詔を下して、大量の下賜物を宛先不明の受け手に送りつける謂れはないのです。途上の宿駅・海港に到着予定を知らせて、準備させる必要もあるのです。魏の国内であれば、途上の関所に、通過予定を知らせる必要もあるのです。こんな風に、子供に言うような言い方は好まないのですが、知らないくせにぐずぐず他人を批判して言い訳するのは、素人目にも誠に見苦しいのです。
このあたりの大事な理屈が理解できなければ、倭人伝を正確に理解する要件に欠けていると見ざるを得ませんが、どうせ、解釈不能な事項は、「根拠」理解不能として無視されるのでしょう。そのような姑息な論争回避は、ありふれているので、特にどうということはないと思っていらっしゃのでしょうが、ここでは、かけがえのない貴兄の信用がかかっているのです。
そうそう、貴兄は、万事露骨に言わないと回答がないようなので、改めて明言しますが、「景初三年に倭使を倭国に送還した」などと断言するのは、山成す異説を踏みつけにした臆測であり、ちと不用意な失言です。多分、『「学術的」な一語一語が大事な論義と無縁な気楽な日常生活を送られている』せいでしょうか。よくよく、自力で過去の諸兄姉の所説を確認して残らず「克服」して欲しいものです。いや、角が立つ言い方をしたので、貴兄の感情線を刺激して回答文から削除されて、何も伝わらないのかも知れません。まあ、当方は、何も失うものは無いで、「ほっちっち」でしょうか。泣く子と地頭には勝てないのです。
詳しくは拙書
【「魏志倭人伝」の正しい解釈で邪馬台国論争遂に決着】
をどうぞお読み下さい。
未完
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