新・私の本棚 番外 ブログ記事 sinfu「光正解釈説 総纏集」 5/10
光正解釈説 総纏集 「中国語学習と邪馬台国研究と家電修理等」2018-04-16 13:20:00
私の見立て ★★★☆☆ 丁寧な労作 ただし前途遼遠 2023/02/03
・書かれていない字を補って改竄しているのは、理解の努力があと一息との現れです。いずれにしろ、日本語の「行けば」と同様「行くと」は仮定法であり移動しているとは解せないのです。「場所説明」とは何の意味でしょうか。
東南陸行 五百里 到伊都國 「末盧國から東南方向に五百里行くと伊都国に到る。」
東南至奴国 百里 「末盧國から東南方面は奴国に至る。百里です。」
東行至不彌國 百里 「末盧國から東に行くと不弥国に至る。百里です。
南至投馬國 水行二十日 「末盧國から南方面に船で20日で投馬国に到ります。
・「到ります」とは書いていません。
南至邪馬壹國 女王之所都 水行十日陸行一月
「末盧國の南方面は邪馬壱国に至ります。女王の都とする所。 船で十日、陸路で一月です。」
・最後に、重大な改竄を施して、それを前提にしているので、丁寧に指摘します。
まずは、句読を改めて、正確に、
南至邪馬壹國女王之所。<改行> 都水行十日陸行一月。
と句読すべきと思われます。三世紀正式史書は、蕃王治所を「都」と称しなかったのです。
・「都」は、次行に送って、「都合」と解するのが、自然なものと思われます。
この箇所の「水行十日陸行一月」を説明します。
この「水行十日陸行一月」を水行十日して、
その次に陸行一月費やして女王国に至ると解釈してる説が多数ありますが、
よく考えて頂ければ、どうしてそのように解釈されるのか判りません。
・「多数」、つまり、二、三なのか、十なのか、百なのか、千なのか、数すら掴めていない、山成す先行諸説を理解できていないことを吐露していて、理解する努力の不足は感心しません。
「水行十日陸行一月」をたとえば、
「水行十日後陸行一月」、とか
「水行十日又陸行一月」、
「水行十日再陸行一月」とかの連動してますよと判る語句が有れば理解できますが、
並列に「水行十日、陸行一月」とだけ書いてあれば、普通は水行なら十日、陸行なら一月かかる、と解釈できます。
中国語学習的に例文を挙げれば、たとえば
坐飞机要一个小时,坐新干线要三个小时。
飛行機なら1時間、新幹線なら3時間
开车去要一个小时,走着去要半天。
車で行けば1時間、歩いて行けば半日(長い時間)かかるとなり、連続して動作してない(連動してない)表現になってます。
なので、この箇所「水行十日陸行一月」は、水行十日更に陸行一月ではなく、水行なら十日、陸行なら一月。と解釈致します。
・聞くまではうっすら理解できていた気がしますが、どうにも、錯綜した例ばかりで、もう無理です。
古代史談義では、簡体字、「略字」は禁物であり、少しでも原文に近い、正体字「本字」に統一すべきでしょう。普通の日本人読者は、「略字」が読めないのです。
未完
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