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2023年2月19日 (日)

新・私の本棚 番外 ブログ記事 makoto kodama「古代史の散歩道さんへの返信(その二)」3/6

邪馬台国探訪「古代史の散歩道さんへの返信(その二)」 2023-02-18 19:08:37   初稿 2023/02/19

*答のない質問
 折角のご教示ですが、ここに示されているのは、貴兄の根拠の無い臆測であり、それが正しいとする「根拠」が検証可能な形で示されていないので、意味のないものです。世人は、同様に根拠不明な提言を聞かされてどう思うものか、当方には分かりません。

 つまり、「南水行十日陸行一月」と「郡より女王国に至ること萬二千余里」は全く関係のない文であり、それが私が古田説を「根拠がない」と云う理由です。

 たぶん、この二つの文を古田氏が同列に考えたのは、そう考えることで、自説が上手くまとまるからでしょう。

 度々、当ブログで繰り返すように、自身の諸説に沿うように史料解釈するのは、当然のことであり、非難するのは見当違いです。むしろ、なぜ、「全く関係のない」文と断定して、根拠ならぬ理由としているのが、不可解です。引用文は、貴兄の解釈であり、原文引用でないのも、困ったものです。

> 韓国内陸行否定の根拠に上げられている一文は、明らかに、その時点限りの特異な事情だと言うことは明らかです。帯方郡は、漢魏晋代の「郡」であり、治安の維持、街道の保全は、郡太守の責務であるから、異常時にそれが達成できなかったから、殊更、皇帝に報告したものです。どんな事情で、異常事態報告の一文に執着するのか不審です。因みに、郡太守が責務が果たせないと判断されたら、小帝王とも言われる郡太守も、一片の帝詔で更迭されるのですから、手段を尽くして街道を維持したのです。

⇒ なにか、訳の分からないことばかり、語っておられるようですが、基本的に帯方太守弓遵が韓兵に殺された話は、『魏志韓伝』に記されています。
『部従事呉林以楽浪本統韓國 分割辰韓八國以與楽浪 吏譯轉有異同 臣幘沾韓忿攻帯方郡崎離營 時太守弓遵楽浪太守劉茂興兵伐之 遵戦死 二郡遂滅韓』
 この文を、かいつまんで説明すると、
 景初中、魏が楽浪帯方二郡を公孫氏から奪取すると韓の有力者に対し、臣智と云う官職を与えて懐柔していたが、正始六~七年頃、呉林と云う役人が魏本国からやってきて、「元々、楽浪郡に従属していた辰韓はその八国を分割して、元の如く楽浪郡に従属すべきだ」と云ったことを、通訳が上手く臣智たちに伝えることが出来なかった為に、混乱した臣智は怒って兵を集め、崎離營と云う帯方郡の官庁を攻めた。この戦いで弓遵は戦死したが、楽浪帯方二郡は遂に韓を滅ぼしたとされているのです。
 このような当時の韓の実情を熟知していたらどう考えても、
「魏の権威を韓国民に知らしめる為に、倭国への下賜品を見せびらかしながら堂々と行進した」
なんて、現実を無視した能天気な考えが出てくるはずはないのです。

 またもや、お得意のはぐらかしに閉口します。高度な、つまり、古代史論議で当然の「史料批判」を怠っている上に、当方の質問にまともに答えずに、「訳の分からない」、つまり、貴兄の限定された知識、語彙で「理解できない」としていながら、遮二無二質問をすり替えて、しかも、例の通り「かいつまんだ」説明が、要点を取りこぼしていて、杜撰のてんこ盛りです。
 当解釈を誰に教わったのか不明ですから、是正策を提言したくても仕方ないので、貴兄の勝手な理解としますが、もし、誤解の出典があるなら、そちらに文句を言って頂きたいものです。
 それにしても、普通に読めば理解できるはずの同時代人の説明を、「理解しない」、「理解しようとしない」というのは、困ったものですが、別に、貴兄が自認されている読解力不足を、殊更批判非難しているのではないのは客観的に明白と思うので、被害者意識に逃げ込まずに、ここんとこは、削除しないでください。
 貴兄は、当方が前便で、当史料が当てにならない、別資料での裏付けが不可欠であると示唆したのに無頓着で、それに加えて困ったことに、史料自体の正確な解釈を知らないで、根拠無しに威張っているようなので、仕方なく次回分で噛み砕いて説明しますが、後は自力で咀嚼してください。

                                未完

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