新・私の本棚 サイト記事紹介 伊作 「邪馬台国・奇跡の解法」2/4
~古代中国の知見と価値観で読む『倭人伝』解読の新境地
私の見立て 星を付けられない絶賛 必読 熟読 2023/05/28
◯引用紹介のお断り
サイト記事の紹介のため、トップページ記事を「お知らせ」を含め全文引用しています。
原著者の提言の正確な理解のためには、原記事を確認いただくようお願いします。
●くまモンの地元が邪馬台国だった
2013-11-04 | ●トップページ
<お知らせ>
当該サイト制作者(通称.伊作)は、2014年1月8日病いのため永眠いたしました。
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なお、当該サイトは個人の遺志により、皆様の研究の一助になればということで、未完成の部分もありますが、このまま公開を継続してまいります。
なお、感想やご質問などに対して制作者が回答する事はできません。
また、いただいたコメント等は一定期間を置いて削除させていただきます。
あしからずご了承ください。(制作者遺族)
日本古代史の新境地「邪馬台国熊本説」画像は「くまモン」を含み、当サイトは使用権がないため割愛。
https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/00/2fd5c20b4ea90ff57aedab5293bda050.jpg
『史記』淮南衡山列伝に面白いエピソードがある。
淮南王劉安が、伍被という腹心の参謀にこう語りかける。
「将軍よ……」
これを聞いた伍被は、故事を引き合いに出して劉安に何かを説くのである。将軍とは本来、天子政府の最高位の軍事指揮官の称号である。将軍は天子だけが任命できる位階であり、天子政府の軍事指揮官だけに用いる称号である。換言すれば、将軍と名のつく軍事指揮官がいる政府は、天子を戴く政府であることを意味する。(この場面は、異民族の王に将軍号=名誉称号を与えるようになる時代とは異なる)。その点では『史記』を編纂した司馬遷も、王が乱立して煩雑だった戦国時代にあって、天子ではない王侯の軍事指揮官に将軍の称号は使っていない。せいぜいが上将か大将である。
つまり、劉安は伍被を「将軍…」と呼ぶことで、天子の座を狙おうと持ちかけたのである。このことを察知した伍被は、劉安に思いとどまらせるべく延々と説得するわけだが、読み手が「将軍とは何ぞや」を知らないと、この二人の会話はまるで退屈なシーンでしかない。
邪馬台国に関する日本の古代史を考察する場合の最大の資料となるのが、『三国志』をはじめとした中国の歴史書いわゆる正史である。正史とは「正統的王朝によって公式に編纂された過去の王朝の歴史書」をいう。形式的には王朝ごとの歴史を記録した断代史で、王朝の興りから歴代皇帝の時代を扱った帝紀(本紀)と、さまざまな人物列伝を扱った伝でなる紀伝体で構成されている。(その他、地理情報をまとめた地理志・郡国志や、諸制度を扱った百官志・礼儀志などを含む場合もある)。
故事や比喩が駆使されている漢詞は、歴史・文化・制度・風俗・習慣・地理・風土・故事などなど、幅広い知識がないと意味を理解することはできないものである。中国正史も同じで、その筆法は「簡潔にして饒舌」をもってよしとする。シェプアップされた文章で構成されているから、書いてあることよりも行間のほうが遥かに饒舌な場合が少なくない。つまり、読み手に相応の知識があることを前提に書かれているわけで、中国正史をより正確に読むには、その歴史・文化・制度・伝統・習慣や古代人の信仰的精神性など、幅ひろい知識が求められる。
当サイトの『三国志』とこれに関連する中国文献解釈の特徴は、可能なかぎり古代中国人の読解レベルに近づくよう努めたところにある。
●新たな解読法の提起
『倭人伝』を読む方法としては、「素直に読む」という言葉をよく目耳にする。これは、とくに行程記録を読むにおいて、『倭人伝』のいう行程を忠実になぞるという意味で使われるようである。だが私の知るかぎりにおいては、素直に読んでいる例は皆無といえるほどに稀である。
それもそのはず。『倭人伝』に書かれた(方角を除く)日程・行程手段・距離をそのまま読んでは、誰しも混沌の世界に迷い込む。実は、素直に読みようがないのである。勢い、多くの場合は「『倭人伝』の行程記録は間違い・操作した・ねつ造した」という手法を選択することになる。だが、そうやって方角や数値を書き変えて良ければ、私でも邪馬台国をマチュピチュへ持って行くことができる。
未完
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