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2023年9月25日 (月)

新・私の本棚 瀧音 能之 邪馬台国論争の現在地 歴史人10 3/3

OCT 2023  「日本の古代史が変わる!?」 ABC アーク
私の見立て★★☆☆☆ ひび割れた骨董品 学問劣化に警鐘か 2023/09/25

□卑弥呼はどんな祭祀を行ったのか?
 「シャーマン」なる俗説で超能力者に擬されているが、「倭人伝」に明記されているのは、卑弥呼は生涯不婚の巫女であり、求めに応じて父祖の助言を仰いだのである。「人々を思いのままに導いた」と著者は糾弾するが冤罪である。滅多に重臣諸侯に臨見せず、口頭のお告げであるから、どんな意志をいだいて、どのように意志を徹底できたのだろうか。
 そもそも、卑弥呼は有力氏族の一員で、父祖は、父方母方双方と見え、両家/両王が従うのは、卑弥呼が鎹(かすがい)なのだろう。もう少し、理性的に解釈し、三世紀人が知らない「シャーマン」など、持ち出すべきでは無いと思われる。
 それにしても、卑弥呼天照大神説は廃棄されてしまったのだろうか。

▢卑弥呼はどんな生活を送っていたのか
【最新の定説はこれだ!】
*宮室に住み、高殿で祭祀を行った。
コメント 宮室かどうかは知らないが、少なくとも、地べたから離れて、床の上にいたはずである。床下に風を通さないと、雨水が浸入して、かびが生え、ネズミが巣を作って、たまらなかったはずである。特に、冬季、地べたに藁を敷くようでは、寒くてたまらないと見るのである。

*弟と巫女の内弟子数十人が仕え、姿を見たものはほぼいなかった。
コメント 誤解に誤解を重ねて、戯画になっている。「姿を見たものは、ほぼいなかった」とは、ものを知らない誤解であり、女王として臨見、接見したものはほとんどいないというだけである。奴婢が身辺の世話をする「奧」では、大勢が姿を見たはずである。独身でも単身でなく、両親も兄弟姉妹がいたはずである。

*動きやすい麻の服を着用し、民衆同様の食生活を送っていた。
コメント この項も戯画尽くしである。
 倭人に麻があったとは初耳である。麻が栽培されて普及していたら、強靱な帆布、麻縄が調達でき、早々に帆船が整っていたはずである。

 被服を動きやすくするには、「仕立て」と「着付け」が不可欠であり、ゴワゴワとされる麻布だから、着心地が良いというものではない。高貴な身分の女王は、長袖長裾で、動きにくかったはずである。下戸は、布地を縮めて、ツンツルテンで、膝あたりまでのホットパンツになっていたかもしれない。
 当時、「民衆」がいたとは聞かない。大家は豪勢な暮らしをしたろうが、小人は、稲作で玄米を蒸して食しても、副食は市(いち)で買い付けたのか。女王は、お供えで食卓を賑わし、「民衆」と同列とは、侮辱ではないか。
 念押しするが、同時代、掘り下げた地面の上で生活していたとしても、床がなかったと言われるのは、決めつけすぎである。せめて、簀の子の上に、藁茣蓙としなければ、四季を過ごせなかったと思われる。

◯閉店の弁
 くたびれてここで打ち切ったが、総じて、現場・現地に密着した丁寧な考察が不足していると見える。特に、これっきりしかない「倭人伝」解釈が、軽率な黒子の受け売りとは感心しないし校閲が無いのも感心しない。

 いや、ここだけ臨時「フラット」で音程を下げて調子外れになったかもしれないが、全体に、古代史論で場違い、時代錯誤の言い回しが多い。(数えてもいい)あちこちで、「最新」「定説」と言われても、いつ、どこで、誰が、どんな根拠で「説」を提案し、どんな権威者がどのように審査して「定説」としたのか、「可視化」公示していただきたいものである。もちろん、異議/コメント公募も不可欠である。そうでない「お手盛り」は食えない。

                               以上

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