今日の躓き石 棋士に泥を塗る「リベンジ」パンチ 毎日新聞 「将棋UP・TO・DATE」
2023/10/12
今回の題材は、毎日新聞大阪朝刊第13版総合面の「将棋UP・TO・DATE」コラムである。と言っても、記事自体は、女流棋士のトップクラスの意欲が紙面に溢れる読み物であり、記事自体に何の罪もない。ここでわざわざ書いているのは、棋界に通じている(はずの)担当記者が、無邪気に棋士に泥を塗りつけ、それが、毎日新聞朝刊の編集過程で是正されていないからである。つまり、これは毎日新聞社の恥である。
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記事の終盤に向かうところで、大ポカが炸裂していて、残念至極である。「翌年、里見にリベンジされたが、タイトルへの意欲はより増した。」
ここで記者は、気軽に書き飛ばしているが、普通に読むと、タイトルを奪取したために相手の恨みを買い、手ひどく復讐されたという意味になる。次は、当然、仕返し/報復である。これは、テロリストの血塗られた無限連鎖と同類であり、「本来、戦争/殺し合いと無縁」の将棋にふさわしいものとは言えない。
目下、野球界を基点として蔓延している『ダイスケリベンジ』は、「負けたら/失敗したら、もう一度出直し」という軽い意味でしかないが、記者は、どうしても、血塗られた復讐しか思いつかないようである。何れにしろ、カタカナ語の語源を辿ると、忌まわしい言葉しかでてこないから、同罪なのだが、それにしても、記者として、そのような風評を掻き立てるのは、どういうものか、困ったものである。これでは、トップ棋士が、口にしたとも見えるのであり、報道の趣旨に反していると思うのである。
ちなみに、REVENGEは、キリスト教、回教、ユダヤ教で、神によって固く禁じられているので、無信心の日本人が無頓着に言い散らすと世界の信用を無くすだけである。大変大変重い、罰当たりな言葉である。だから、良識あるメディアから、姿を消している、はずである。
どうか、担当記者は、自分の書いている記事の意味をよくよく考えた上で世に出して欲しいものである。天下の全国紙毎日新聞の朝刊総合面記事は、万人が信頼するお手本になるのである。このような忌まわしい言葉は、深い深い地中に埋めて葬って欲しいものである。
以上
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