今日の躓き「医師」 毎日新聞 早川智 「偉人たちの診察室」の晩節
「乏精子症? 跡継ぎ悩み」~「産婦人科医師」の救いがたい迷走 (毎日新聞サイト 未掲載) 2023/11/15
◯はじめに~[タイトルのダメ出し]
知る限り毎日新聞には、厳格な表記ルールがあるはずなのだが、見出しに難読/異様な単語「乏精子症」が、ルビ無しに出て来るのは、どんなものだろうか。
*医学専門家の迷走~「巻末魔」の粗相打ち棄て
「戦国武将の自然死」と妄念を口走るあたりから不吉であったが、次に、断末魔ならぬ「巻末魔」。締めでとんだ「粗相」で、後始末に困るのである。「涙」不要。落とし物にせず、お持ち帰りいただきたいものである。
*産婦人科医の迷走
要するに、いかに斯界の世界最高峰の知識の「専門家」でも、専門外の分野では、ただの素人であり、ここでは、ただの素人が、「専門家」に名案を囁いていて、「専門家」は無批判で信じ込んで、堂々と「与太話」を語っているのである。一人二役の二刀流であるが、ことの愚かしさは、同様である。
ついでに「専門家」は専門外分野に堂々と口を挟んで、「秀吉の晩年、「大阪城」の「奥」に間男を引きこむこと「など」不可能」と、賢そうに断定しているが、当時の実態を知らない後世の素人の「断言」など無意味である。恥を知るべきである。
*不合理の二段重ね
本論「巻末」で、「専門家」は時間/空間を越えて現代医師が「秀吉」を診断/治療するとおっしゃるが、予測不能な「タイムスリップ」で、身一つで 秀吉の寝間に乗りこんでも、素手で手ぶらでは無力である。大体、言葉も何も通じないのだから、立ち所に惨殺されて、それで「おしまい」である。とんだ与太話である。
真面目に言うと、「専門家」は、現代医療を支える厖大な「インフラストラクチャー」をお忘れのようである。
事の始めに、最寄りの発電所、送電網無しには何もできない。続いて、医療機器、医薬品が必要である。診断/治療に訓練人員が多数必要である。総合すると、診断/治療には、不妊症「クリニック」が必要で、ライフラインもサポートスタッフもコミで、地方都市級の体制が必要である。氏は、臨床医療にあたったことがないのだろうか、といいたくなる。間男談義は、馬鹿な素人の戯言ですんでも、こちらは、本業であるから、笑って誤魔化せないのである。真剣な批判は、末尾に譲る。
ついでながら、素人考えで申し訳ないが、氏の言う「無精子」症には、さらなる高度医療が必要と思うが、素人には何も言えない。
*増しな「代案」
随分ましな「代案」として、「患者」が身一つで現在世界にやって来たら、「先に挙げた難点」は、ほぼ全て解消するが、自在に史上人物を拐帯する「タイムスリップ」は、産婦人科「専門家」の新発明である。責任重大である。
氏のとるべき手段は、氏の理解できない「タイムスリップ」先行技術を動員せずに、単なるおとぎ話として、過去人物を呼び寄せて診断/治療し送り返すべきだった。それなら、単なる「寓話」で済むのである。
*「ヒストリー」の傲慢
どのみち、時間往復移動は、古典的な「タイムパラドックス」の論理パズルがあって「もともと」(?)無理である。「秀吉」が子だくさんなら、以後の「ヒストリー」は別「ストーリー」になり、我々の時代は来ないのである。いずれにしろ、益体もない寓話でしか無い。
全国紙に無審査掲載される特権は、もっと慎重に扱って欲しい。駄文の行数/字数稼ぎは無用としたい。
往年のSF作家が歎いていたように、然るべき知性のないものに暴言/暴力を許すのは、大変な罪悪である。最終責任は毎日新聞にあると思う。
教訓になるが、「誰でも、知らないことは分からない」と「謙虚」な態度をお勧めする。余談、蛇足で本体の信用を無くしては元も子もない。
◯予測される非難
不妊治療を受けている方々が当記事を読んで、『不妊症は「手ぶら」でも簡単に診断/治療できる』という印象を与える記事に、強烈な非難が集まったとしても不思議は無い。氏の専門分野であるから、何か言い逃れを用意しているのだろうが、素人目には、不適切な言動である。
以上
« 新・私の本棚 番外 笛木 亮三 「卑弥呼の遣使は景初二年か三年か」 別系統コメント対応 | トップページ | 私の本棚 野田正治 「古墳と仏教寺院の位置が示す真実」 2/2 »
「今日の躓き石」カテゴリの記事
- 今日の躓き石 毎日新聞夕刊一面の墜落 今ひとたびの「リベンジ」蔓延(2024.08.28)
- 今日の躓き石 日テレプロ野球放送の「リベンジ」連発の恥さらし(2024.08.20)
- 今日の躓き石 NHKに出回る「リベンジ」病 懲りない粗相(2024.06.28)
- 今日の躓き石 毎日新聞スポーツ面の「リベンジ」再来 順当な番狂わせか(2024.06.04)
- 今日の躓き石 毎日新聞 名人戦観戦記の「屈辱」(2024.05.18)
「毎日新聞 歴史記事批判」カテゴリの記事
- 新・私の本棚 番外 毎日新聞 【松井宏員】散歩日和 奈良凸凹編 大倭/1 3/3(2024.09.06)
- 新・私の本棚 番外 毎日新聞 【松井宏員】散歩日和 奈良凸凹編 大倭/1 2/3(2024.09.06)
- 新・私の本棚 番外 毎日新聞 【松井宏員】散歩日和 奈良凸凹編 大倭/1 1/3(2024.09.06)
- 今日の躓き「医師」 毎日新聞 早川智 「偉人たちの診察室」の晩節(2023.11.15)
- 今日の躓き石 毎日新聞記事批判 「わが町にも歴史あり・知られざる大阪」 /588(2023.01.16)
« 新・私の本棚 番外 笛木 亮三 「卑弥呼の遣使は景初二年か三年か」 別系統コメント対応 | トップページ | 私の本棚 野田正治 「古墳と仏教寺院の位置が示す真実」 2/2 »
コメント