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2024年3月31日 (日)

新・私の本棚 NHKBS「古代史ミステリー 第1集 邪馬台国の謎に迫る」  8/10 改頁

私の見方 ☆☆☆☆☆ 果てし無い浪費の泥沼 底なしのてんてこ舞い 稚拙な弥縫の流沙 2024/03/18, 03/28

*「狗奴国」飛翔
 いや、いつの間にか、狗奴国は、東方に広く展開していたことになっていて、たいした法螺話と思うのである。誰も、不思議に思わなかったのだろうか。どこの誰の指示によるものか知らないが、ちゃんと制作過程の議事録と指示書を取っておかないと、後世責任追及するときに、「誰が決定して、なぜこうなったのか、記憶にありません」で済まされると危惧するのである。となると、具体的な制作担当者の責任で逃げるのではないか。まさか、登場した俳優の責任では無いだろうが。

*安直な戦闘シーン
 もちろん、人件費がかかっていると見える戦闘シーンは、時代錯誤そのものである。戦国ものの流用ではないとしても、さすがにいずれかのドラマの流用なのだろうが、まことにお粗末である。それにしても、これほど多数の兵隊が動員できたら、勝利を争わず和平/妥協すれば、多額の戦費が霧散し、兵は、農事に帰れるから、国は富むのである。

*無意味な鉄鏃
 実戦では、鉄鏃など、ほとんど無意味である。大抵の矢は的を外れるものであるから、数多く撃って当てるのが「勝ち」である。
 一戦を交えた後、死者の身体に食い込んだもの以外は、せっせと、矢を拾い集めたはずである。衆知であるが、山野で拾い集めた石塊をたたき割って作られる石鏃の殺傷能力は、しばしば粗製の鉄鏃を越え、ありふれた石鏃矢は内職で、格段に安上がりで豊作である。要は、数多く打てば当たるのであり、別に殺さなくても、手足に傷を負わせれば、敵は闘志を喪う。三世紀時点で鋼鉄甲冑は無く石鏃で十分とも言える。

 戦が負け戦で終われば、さっさと撤退するから、石矢は、ばらまかれたままで早晩忘れ去られたのである。

*渡来技術談義
 珍しく健全な常識を備えた方が登場して、墳墓施工は渡来技術起源としていて、奈良盆地内でも、特異地点である「纏向」遺跡で忽然と開始したと云うが、当時、そのような兆し/契機はない。いや、三世当時、纏向は「生きた国邑」であり、亡霊の徘徊する「遺跡」にはなっていなかった。もちろん、周辺の「唐古鍵」などは、纏向遺跡の一部ではない。

*伝統の版築工法
 ちなみに、「版築」工法は、遅くとも秦代以来の基礎技術/業界の常識であり、楽浪郡、帯方郡にも、土壁/石垣を備えた築城の技術として伝わっていたはずである。辺境に、郡治/郡太守のお城を築くには、不可欠な技術であるから、遅くとも、秦始皇帝が長城の東端の守りとして遼東郡を築いた時点には、東夷の境地にまで伝来していたはずである。つまり、遼東郡に、築城工兵部隊を常駐させていたはずである。何しろ、始皇帝が設けた官道は、二千年を超えた今日でも、版築の姿をとどめているのである。

 ついでに言うと、雒陽付近の土壌は黄土の一部と見え、適度の粘り気のあるものであり、また、特に多雨地帯でも無いので、内部に草の花粉などが少ないので、突き固めの版築が、既に千年近く施工されていたのである。
 知らないでいた専門家は、誇らしく「新説」を語っているが、後世に残る「迷言」とされるだけである。
 ちなみに、国内で眼に付くのは、戦国時代の築城術であり、整地/地固めの工程と石垣積みに土壁を築くものであり、長年継承された土木技術と見える。

                                未完

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