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2024年3月31日 (日)

新・私の本棚 NHKBS「古代史ミステリー 第1集 邪馬台国の謎に迫る」  9/10 改頁

私の見方 ☆☆☆☆☆ 果てし無い浪費の泥沼 底なしのてんてこ舞い 稚拙な弥縫の流沙 2024/03/18, 03/28

*幻の三世紀「ヤマト王権」
 以下、当然、卑弥呼の後裔として「ヤマト王権」を括りつけているが、無理の固まりである。考古学界の先人は、「発掘現場の考察を無理に文献や広域学説にくくりつけるな」と厳命していたはずである。
 「金属加工技術」と言うが、現実に存在したのは、青銅器の鋳造技術である。鍛冶屋さんの鍛鉄技術は、完全に別義である。ものの理屈を知らない人のどんぶり勘定は、ご勘弁いただきたい。

*明帝復活/面談の奇蹟
 今回、卑弥呼の高官が、曹魏皇帝と対立/対面して堂々と抗弁している様が描かれているが、そのようなことは、絶対に不可能である。先ずは、玉体に危害が及ぶことなど、到底、あってはならないのである。馬鹿馬鹿しい眺めであった。
 皇帝は、玉座に鎮座し、蛮夷のものは、遥か遙か隔たった、何段も低い場所から、許しを得て身辺の通詞に語りかけ、その言辞が随時伝言されて、皇帝の書記官が趣旨を解したとき、初めて、皇帝に簡牘によって言葉が伝わるのである。そもそも、臣下、さらには、蛮夷が、天子たる皇帝に直言など、絶対に許されない。いや、蛮夷昇殿は、それ自体が奇蹟なのである。
 そもそも、卑弥呼高官は、蛮夷「倭大夫」であって、人の言葉を知らないので、皇帝に通じる発言が一切できず、上申文書も、事前に国王の署名を得た国書を、書記官の許可を得て/通じて、検疫を受けて伝えるしかない。
 それにしても、瀕死の明帝がよみがえったのか、少帝が竹馬にでも乗ったのかギャグ連発で恐れ入る。いや、よくよく見ると、これは、御前会議などでは無く、玉座は空席であった。面目ない。

*ぶざまな乱行の連続
 全体に、各カットに金のかかるウソの固まりで呆れるしかない。
 NHKは、いつから、古代史番組の堅実な考証を棄てて、一部通説に奉仕する伝統的な「幇間(太鼓持ち)芸」に成り下がってしまったのであろうか。方針に沿わない堅物の古代史担当者は、地方局に出向したのだろうか。
 「科捜研の女」由来の人気取りとなると、「京都府警 土門薫警部」の次は、SRIの豪勢な科学捜査鑑定設備でも動員するのであろうか。

*秘められた戦略のリーク疑惑
 ついでながら、「「三国志」に秘められた卑弥呼のグローバル戦略とは」と、冒頭惹き句で大ぼけをかましているが、別に秘められているので無く、無かったから書いていないだけである。終生自室に引きこもっていた女王は、殊更に啓示されない限り、魏、呉、蜀の角逐など知るはずがないし、遠隔地に逼塞しているちんまりした国が、中原の抗争に干渉などできるわけがない。

 もちろん、厳重この上ない極秘事項であった「国家戦略」が、外部に「リーク」され、後年陳寿によって、中国に暴露されたのであれば、それは、まことに壮大な物語であるが、制作者が、そのような幻覚に襲われたのは、何か悪いものでも食べたのでは無いかと懸念されるのである。

 東呉孫権は、遼東公孫氏の口車に乗って援軍を送ろうとしたが、背かれて大軍を失ったものである。「倭人伝」は、そのような戯言と無関係の世界として書かれているのである。夢物語の愛好家は、薬物を断ち、顔を洗って目を覚まして欲しいものである。

                                未完

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