« 毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 6 日吉大社の悲劇 2/2 | トップページ | 毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 5 「伊勢・出雲ライン」の妄想 »

2024年4月17日 (水)

毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 6 日吉大社の悲劇 1/2

天智の宮と聖武の宮 日吉大社とつながる
 =専門編集委員・佐々木泰造
 私の見立て☆☆☆☆☆☆ 「無法な」ホラ話  2016/10/19 再掲 2024/04/17

*加筆再掲の弁
 最近、Amazon.com由来のロボットが大量に来訪して、当ブログの記事をランダムに読み囓っているので、旧ログの揚げ足を取られないように、折に触れ加筆再掲していることをお断りします。

◯はじめに
 今回の題材は、毎日新聞月一コラム「歴史の鍵穴」の今月分であるが、またまたもやもや、途方もない地図幻想を蒸し返しているので、指摘を繰り返さねばならないのである。なぜ、全国紙がこのような「無法な」ホラ話を掲載し続けているのか、まことに不可解である。

*後世知の戒め
 前回記事で、2009年の「国立歴史民俗博物館研究報告」第152集掲載という論文「水林 彪 古代天皇制における出雲関連諸儀式と出雲神話」を引き合いにしているが、冒頭で提起されている戒めを読み損ねているのだろうか。
 8世紀の事を論ずるには,何よりも8世紀の史料によって論じなければならない。10世紀の史料が伝える事実(人々の観念思想という意味での「心理的事実」も含む)を無媒介に8世紀に投影する方法は,学問的に無効なのである

 当然、8世紀の事を論ずるのに21世紀の認識を適用することは学問的に無効だと言うことは言うまでもない。

*前提「技術」
 と言っても、指摘の論点をできるだけ変えていくことにしているので、今回は、「カシミール3D」に関する指摘を言い立てたい。
 いや、記事筆者は、ずぼらをして「地図ソフト」などと言いくるめているが、実際は、「カシミール3D」は、国土地理院の数値地図を利用する、「地図ブラウザー」(地図データを表示、流し読みするもの)であって、自力で地図を創作しているものではないから、表示され、印刷されている地図に責任を負わせられるものではない。
 科学技術的に肝心なのは、地図上の各地の地理データは、国土地理院の提供したものだと言うことである。前提技術は、明確に表記すべきである。
 国土地理院の数値地図は、近年になって、衛星からのデータを利用して校正されているというものの、本来は、全国にくまなく巡らされた三角点を実際に測量して得られたデータをもとにしているのである。

*科学に基づかない科学論
 記事筆者は、色々資料を取り出して蘊蓄を加えているが、今回も臆面もなく掲示されているような架空「地図」を根拠に、当時の為政者の配置の動機を忖度するのは、非科学的な妄想と言われても仕方ないのではないか。

*現実世界の有り様
 現在の技術を持ってしても、0.14度とか0.37度とか、1/100度の精度で論ずるのは、無意味である。それにしても、当シリーズの表記は、従来、0.1度単位であったが、今回は、0.01度に単位と超絶的な高精度になっているのは、一段と不可解である。全周360度に対して、一万分の一、0.01度の精度で測量する手段は、現実には存在しない。恒温恒湿、無振動、無塵の測定室が必要であり、おそらく、体温や呼気の影響を避けるために無人化する必要があるであろう。つまり、今後如何に技術革新があっても、記事筆者の妄想世界ならともかく、現実の生きた世界に適用するのは、「絶対に」無理というものである。

未完

« 毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 6 日吉大社の悲劇 2/2 | トップページ | 毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 5 「伊勢・出雲ライン」の妄想 »

毎日新聞 歴史記事批判」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 6 日吉大社の悲劇 1/2:

« 毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 6 日吉大社の悲劇 2/2 | トップページ | 毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 5 「伊勢・出雲ライン」の妄想 »

お気に入ったらブログランキングに投票してください


2024年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

カテゴリー

  • YouTube賞賛と批判
    いつもお世話になっているYouTubeの馬鹿馬鹿しい、間違った著作権管理に関するものです。
  • ファンタジー
    思いつきの仮説です。いかなる効用を保証するものでもありません。
  • フィクション
    思いつきの創作です。論考ではありませんが、「ウソ」ではありません。
  • 今日の躓き石
    権威あるメディアの不適切な言葉遣いを,きつくたしなめるものです。独善の「リベンジ」断固撲滅運動展開中。
  • 倭人伝の散歩道 2017
    途中経過です
  • 倭人伝の散歩道稿
    「魏志倭人伝」に関する覚え書きです。
  • 倭人伝新考察
    第二グループです
  • 倭人伝道里行程について
    「魏志倭人伝」の郡から倭までの道里と行程について考えています
  • 倭人伝随想
    倭人伝に関する随想のまとめ書きです。
  • 動画撮影記
    動画撮影の裏話です。(希少)
  • 古賀達也の洛中洛外日記
    古田史学の会事務局長古賀達也氏のブログ記事に関する寸評です
  • 名付けの話
    ネーミングに関係する話です。(希少)
  • 囲碁の世界
    囲碁の世界に関わる話題です。(希少)
  • 季刊 邪馬台国
    四十年を越えて着実に刊行を続けている「日本列島」古代史専門の史学誌です。
  • 将棋雑談
    将棋の世界に関わる話題です。
  • 後漢書批判
    不朽の名著 范曄「後漢書」の批判という無謀な試みです。
  • 新・私の本棚
    私の本棚の新展開です。主として、商用出版された『書籍』書評ですが、サイト記事の批評も登場します。
  • 歴博談議
    国立歴史民俗博物館(通称:歴博)は歴史学・考古学・民俗学研究機関ですが、「魏志倭人伝」関連広報活動(テレビ番組)に限定しています。
  • 歴史人物談義
    主として古代史談義です。
  • 毎日新聞 歴史記事批判
    毎日新聞夕刊の歴史記事の不都合を批判したものです。「歴史の鍵穴」「今どきの歴史」の連載が大半
  • 百済祢軍墓誌談義
    百済祢軍墓誌に関する記事です
  • 私の本棚
    主として古代史に関する書籍・雑誌記事・テレビ番組の個人的な読後感想です。
  • 纒向学研究センター
    纒向学研究センターを「推し」ている産経新聞報道が大半です
  • 西域伝の新展開
    正史西域伝解釈での誤解を是正するものです。恐らく、世界初の丁寧な解釈です。
  • 邪馬台国・奇跡の解法
    サイト記事 『伊作 「邪馬台国・奇跡の解法」』を紹介するものです
  • 陳寿小論 2022
  • 隋書俀国伝談義
    隋代の遣使記事について考察します
無料ブログはココログ