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2024年4月22日 (月)

私の本棚 51 水野 祐「評釈 魏志倭人伝」 1/10 補充 改頁

 雄山閣 新装版 2004年11月 (初版 1987年3月)
私の見立て★★★★☆ 『「倭人伝」は「唯一無二の史料』 2016/06/18 追記 2020/06/07 2021/07/17 2024/04/21

*加筆再掲の弁
 最近、Amazon.com由来のロボットが大量に来訪して、当ブログの記事をランダムに読み囓っているので、旧ログの揚げ足を取られないように、折に触れ加筆再掲していることをお断りします。

◯はじめに
 本書は、以前から大型書店の書架で見かけていたが、何しろ、本文653ページの大部であり、また、本体価格で12,000円の高価な物だったので、内容に価格ほどの価値があるかどうかの懸念もあって、なかなか手が出なかったが、最近、古書の掘り出し物が見つかったので慌てて購入したものである。
 一度、大型書店の立ち読みで流し読みして、手堅い論考に一目置いていたが、今回、自分の蔵書として、じっくり読んでみると、大変な労作であり、また、当ブログ筆者が最近「俗論」と勝手に呼んでいる、「通説」固執の議論がほとんど見られないので、一段と敬意を深めたものである。

*概要
 まずは、宮内庁書陵部蔵書である三国志宋版刊本(「紹煕本」)影印が綴じ込まれていて、これに続いて、凡例と目次を挟んで、句読点を補充し全29段の区分入り「漢字原文」が続いている。
 なお、「紹煕本」は「倭人伝」と小見出しして開始しているので、正式名称云々の雑音の毒消しになっているように思う。

*充実不偏の引用文献
 巻末の主要引用参考文献目録には、およそ、膨大な「魏志倭人伝」関係書籍群に加えて、魏晋朝時代の当時の社会動向、政治思潮を書き綴った岡崎文夫氏の「魏晋南北朝通史」 や邪馬台国に関する論考を集成した橋本増吉氏の「邪馬臺国論考」、さらには、松本清張氏の「清張通史-1 邪馬台国」等々、与党的と見える論考があげられているのは当然だが、野党的と見られる安本美典氏の「新考 邪馬台国への道」、そして、古田武彦氏の「『邪馬台国』はなかった」もあげられている。ただし、最終例は、「邪馬台国」のカギ括弧が抜けた誤記になっているのは、ご愛敬である。
 以上のように、書名を書き連ねたのは、本書が、安易な通説固執の弊を免れていると感じさせてくれると言うことである。

*原史料密着の姿勢堅持
 著者水野氏は、自身明言のように、いわゆる「九州派」であり、不偏不党とは言えないが、根拠のない度を過ごした偏見は見られず、また、野党的な論考であっても、採り入れるべき主張は採り入れるという姿勢が貴重である。
 ということで、さりげなく、「漢字原文」と書いたが、ごく一部の例外を除けば、影印本の記載に従った読み取りであり、従って、世に溢れている原文書き換えは、避けられている。
 著名な例で言うと、「邪馬壹國」、「一大國」、「会稽東治」、「景初二年」、「壹與」の表記が採用されている。中国史書である「倭人伝」を、中国史書として考察するという、当然の前提に従うものであり、当然の処置である。

                                未完

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