« 毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 6 日吉大社の悲劇 1/2 | トップページ | 毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 4 3/3 »

2024年4月17日 (水)

毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 5 「伊勢・出雲ライン」の妄想

伊勢・出雲ラインの意味 神話を演じる祭祀空間か
専門編集委員・佐々木泰造  私の見立て☆☆☆☆☆ 2016/09/21 補充 2023/05/21 再掲 2024/04/17

*加筆再掲の弁
 最近、Amazon.com由来のロボットが大量に来訪して、当ブログの記事をランダムに読み囓っているので、旧ログの揚げ足を取られないように、折に触れ加筆再掲していることをお断りします。

*お断り 2023/05/21
 当記事は、コラムとしては、終了して久しいものであり、誠に旧聞であるが、爾来毎日新聞紙上で是正されていないと見え、一方、一部で、当方の記事を参照していると見えるので、自衛のために、補充、再掲載したものである。近来の補充/再掲載は、概して、同様の理由に基づくものであり、弱者の自衛策として、看過頂ければ幸いである。
 なお、上記リンクは、毎日新聞の公開期限切れで解消しているようである。

◯始めに
 今回の題材は、毎日新聞夕刊の月一コラム「歴史の鍵穴」の今月(2016年9月)分の批評であるが、またもや、「地図幻想」を蒸し返しているので、当ブログとして、誠意を持って対応している証拠として、蒸し返しに近い指摘を繰り返さねばならないのである。

*総論
 素人が、無報酬で頑張るのは、不似合いであり割に合わないと思うのだが、本件のような途方も無い暴論に対して、世上、当然と思われる批判が見られないので、柄杓一杯の冷水を、燃えさかる野火に注ぐものである。とても、火消しにはならないが、柄杓一杯分の消火活動に務めているのである。

*主題
 今日の技術でも、各地の三角点やそれらを利用して作成した地図、或いはGPSと言った技術が無ければ/無かったから、見通しの利かない地点間を直線で結ぶことは不可能であり、従って、8世紀当時も不可能であった」と断じざるを得ない。いくらなんでも、高校生レベルで納得できる話と思うのだが、どうも、高貴な身分の方は、耳を貸さないようである。イソップ物語に擬えるのは控えるが、佐々木氏が、毎日新聞の専門編集委員なる格別の権威にふさわしい知性を示していないので、何か揶揄したくなるのである。
 このような批判に対して、確たる証拠を持って反論するのが、全国紙に堂々掲載されたこの記事の筆者の責任だと思うのである。

*引用資料の内容確認
 2009年の「国立歴史民俗博物館研究報告」第152集掲載という論文を引き合いにしているが、字数多くして一向に要領を得ないので、別ページで原資料の書評を掲示している。

私の本棚 水林 彪 古代天皇制における出雲関連諸儀式と出雲神話
抄録:本稿は,『続日本紀』の記事に散見され,『貞観儀式』や『延喜式』にも見えるところの,出雲国造が天皇に対して賀詞などを奉上する儀式の意義について考察したものである。
(以下略)

 結論を言うと、当記事で紹介されている部分、つまり、「地図幻想」は、水林氏が本来の論説を展開したあとで、『自身の「私見」を補強するために同僚の私見の教示を仰ぎ、論証無しの「憶測」であることを理解せずに、自説として取り込んだ』部分であり、当記事で、付け足しのように長々と引用されているのが、水林氏が、いわば心血を注いだ本論なので、紹介の軽重・順序が倒錯しているのである。

 それにしても、厳しい言い方をすると、「伊勢・出雲ライン」幻想は、水林氏自身が論説の冒頭で提示した学問上の信念に反して、『現代的な思考を論証無しに古代の考証に持ち込んだ「無効」な議論』なので、その点を理解した上で慎重に引用すべきなのである。(要するに、こんな与太話は持ち込んではならない、ということである。)
 毎日新聞の専門編集委員が、正確さに疑問のある未検証の理論を、「孫引き」にも拘わらず「通説」として、無批判で引用するのは、全国紙記事として不見識この上ないのではないかとの批判を免れないのである。

 言うまでもないが、このようないい加減な「トンデモ科学」めいた思いつきを安易に受け売りすると、論説全体の信頼性を害するものであり、即ち、毎日新聞の権威に重大な疑念を投げかけるのである。

*締めくくり
 と言うことで、今回も、ため息をついて、当記事は非科学的なものであり、ダメだと言わざるを得ないのである。特に、今回は、水林氏の卓見の「論証の欠けた蛇足の部分」が冒頭に引用され、論説本体が巻き込まれて批判されるの』は困ったものである。
 一介の素人がちょっと調べて、論証の(象の隊列がすらすらと歩き抜けられるような巨大な)「アナ」を「ぞろぞろと」指摘できるような粗雑な論説の付け足しを、本来必要もないのになぜ紹介するのか、理解に苦しむのである。

 ご自身が、しきりに押しつけている「地図幻想」も、受け売りと言って、別人に責任転嫁するつもりなのだろうか。

以上

« 毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 6 日吉大社の悲劇 1/2 | トップページ | 毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 4 3/3 »

私の本棚」カテゴリの記事

毎日新聞 歴史記事批判」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 6 日吉大社の悲劇 1/2 | トップページ | 毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 4 3/3 »

お気に入ったらブログランキングに投票してください


2024年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

カテゴリー

  • YouTube賞賛と批判
    いつもお世話になっているYouTubeの馬鹿馬鹿しい、間違った著作権管理に関するものです。
  • ファンタジー
    思いつきの仮説です。いかなる効用を保証するものでもありません。
  • フィクション
    思いつきの創作です。論考ではありませんが、「ウソ」ではありません。
  • 今日の躓き石
    権威あるメディアの不適切な言葉遣いを,きつくたしなめるものです。独善の「リベンジ」断固撲滅運動展開中。
  • 倭人伝の散歩道 2017
    途中経過です
  • 倭人伝の散歩道稿
    「魏志倭人伝」に関する覚え書きです。
  • 倭人伝新考察
    第二グループです
  • 倭人伝道里行程について
    「魏志倭人伝」の郡から倭までの道里と行程について考えています
  • 倭人伝随想
    倭人伝に関する随想のまとめ書きです。
  • 動画撮影記
    動画撮影の裏話です。(希少)
  • 古賀達也の洛中洛外日記
    古田史学の会事務局長古賀達也氏のブログ記事に関する寸評です
  • 名付けの話
    ネーミングに関係する話です。(希少)
  • 囲碁の世界
    囲碁の世界に関わる話題です。(希少)
  • 季刊 邪馬台国
    四十年を越えて着実に刊行を続けている「日本列島」古代史専門の史学誌です。
  • 将棋雑談
    将棋の世界に関わる話題です。
  • 後漢書批判
    不朽の名著 范曄「後漢書」の批判という無謀な試みです。
  • 新・私の本棚
    私の本棚の新展開です。主として、商用出版された『書籍』書評ですが、サイト記事の批評も登場します。
  • 歴博談議
    国立歴史民俗博物館(通称:歴博)は歴史学・考古学・民俗学研究機関ですが、「魏志倭人伝」関連広報活動(テレビ番組)に限定しています。
  • 歴史人物談義
    主として古代史談義です。
  • 毎日新聞 歴史記事批判
    毎日新聞夕刊の歴史記事の不都合を批判したものです。「歴史の鍵穴」「今どきの歴史」の連載が大半
  • 百済祢軍墓誌談義
    百済祢軍墓誌に関する記事です
  • 私の本棚
    主として古代史に関する書籍・雑誌記事・テレビ番組の個人的な読後感想です。
  • 纒向学研究センター
    纒向学研究センターを「推し」ている産経新聞報道が大半です
  • 西域伝の新展開
    正史西域伝解釈での誤解を是正するものです。恐らく、世界初の丁寧な解釈です。
  • 邪馬台国・奇跡の解法
    サイト記事 『伊作 「邪馬台国・奇跡の解法」』を紹介するものです
  • 陳寿小論 2022
  • 隋書俀国伝談義
    隋代の遣使記事について考察します
無料ブログはココログ