新・私の本棚 番外 愛川 順一 私の「邪馬台国」試論 2/2 再掲
魏志倭人伝より「邪馬台国」を読み解く 季刊「古代史ネット」第2号 2021/03/25
私の見立て ☆☆☆☆☆ 勉強不足の我流空転 2023/01/11 2024/04/20
*加筆再掲の弁
最近、Amazon.com由来のロボットが大量に来訪して、当ブログの記事をランダムに読み囓っているので、旧ログの揚げ足を取られないように、折に触れ加筆再掲していることをお断りします。
5.女王に従う「倭国」とは「邪馬台国連合国」(?)21国プラス6国(対馬、一大、末盧、伊都、奴、不彌)(?)と「投馬国」(?)である。これを「邪馬台国同盟国」とみる。(?)
コメント:
意味不明の連発。とどめの「邪馬台国同盟国」は、皆目不明。「連合国」は、まるで第二次大戦です。敵は「枢軸国」でしょうか。
因みに、従属していれば、対等の関係ではないので、どう見ても「同盟」/「連合」はあり得ません。と言うか、「倭人伝」にそのような時代錯誤は書かれていないのです。
6.「邪馬台国」と「投馬国」の日数(?)は、それぞれが連合国家(?)である故、其の国を巡邏(?)する旅程。故に、「邪馬台国」の「水行十日、陸行一月」は、「帯方郡」から「末盧国」までの、「水行十日」(?)を差し引いた「陸行一月」であり、同様に「投馬国」の「水行二十日」とは「水行十日」で国を巡邏(?)する旅程である。
コメント:
「日数」も、「連合国」ならぬ「連合国家」も「巡邏」も意味不明。三世紀倭人に「国家」などなかったはずです。日数論は、一段と意味不明です。
7.当時の近隣諸国との人口構成(?)からみて、大きさ、人口、国家形態が「邪馬台国」を連合国家。(?)
コメント:
「近隣諸国」とは何のことやら。「人口」は意味不明の時代錯誤、「人口構成」も意味不明です。(年齢構成か)「國の大きさ」も意味不明。「国家形態」は、ますます不明。それにしても、全体に文になっていないようにも見えます。「...との人口構成」も、何のことやら意味不明。それにしても、文末処理は、誤編集操作でしょうか。せめて、書き始めた文を完結していただかないと、困るのです。
8.女王国の境は第2の「奴国」(?)であり、南は「狗奴国」と接しており、戦闘状態にある。(?)
コメント:
狗奴国は、女王国と不和、つまり、服従関係になかったと言うだけで、主語が動揺していて、趣旨不明ですが、「奴国」が「狗奴国」と「戦闘状態」にあったとは書かれていません。
9.東の海を渡って、千余里(以東)の所にも国があり、それも倭人である。(?)
コメント:
「東の海 」は、意味不明、出所不明。
東は、「倭種」であって、「倭人」には属していません。属していれば、詳細を報告する義務があります。ここでは、以東は、基準点を含まないようです。それとも、さらに千里、つまり、果てしなく進むという解釈でしょうか。
10.後の中国の史料では、畿内の大和王朝(?)は「日本」と名乗っており、筑紫城に居た倭奴国の後裔(?)。
コメント:
「後の中国の史料」は、正体不明。「筑紫城に居た倭奴国の後裔」も「畿内の大和王朝」も「倭人伝」に書かれていないので、確認不能。「日本」は、八世紀以後の新語で、これも、深刻な時代錯誤です。
11.中国の他の史料(?)と突き合せて読むことによって、3世紀以前の邪馬台国は倭国(?)であり、空白の4世紀(?)以降は日本(?)と名前を変えており、近畿(?)に拠点を置く大和朝廷(?)となっている事が窺える。(?)
コメント:
「中国の他の史料」は、正体不明。何を突き合わせるのかも不明。 「三世紀以前」は、三世紀及びそれ以前の意味としても、それ以前、つまり、二世紀、一世紀等々のことは、「倭人伝」には明記されていません。魏代景初年間及びそれ以降を対象としているとして、結局は、三世紀の話がせいぜいです。
因みに、当時、西洋風の「世紀」は知られていなかったので、陳寿に、「世紀」を意識した表現を求めても、無理というものです。
もちろん、「倭人伝」に、四世紀及びそれ以降のことは「一切」書かれていません。「日本」は、「近畿」共々、藤原京、平城京及びそれ以後の用語であり、「倭人伝」論義に持ち込むのは、深刻な時代錯誤です。
「大きな流れ」を見ても、何の話をされているのやら、「五里霧」中です。確か、本記事は「邪馬台国」私論だったのではないでしょうか。「圏外」乱闘は、ほどほどにして欲しいものです。
◯まとめ
総じて、現代語とその誤用の氾濫で、折角の意欲的な提言が、あらぬ方に飛び散っていて意味不明です。先賢諸兄姉の山成す業績から、何も学ばなかったのか、それとも、よりによって、不勉強な論者のお手本を丸呑みしたのでしょうか。誰か、文章作法の講釈をしてくれる方がいないでしょうか。
同号の塩田泰弘氏の論考は、長期に亘る考察の成果と見え、また、念入りに考証されているので、当ブログで賛同できない点に関して言及するときも、毎度、尊敬の念を持って批判します。えらい違いです。
ぜひ、ご自身の意志で、先輩諸兄姉の「筆法」を学んで頂きたいものです。
以上
« 新・私の本棚 安本 美典 「倭人語」の解読 補足編 再掲 | トップページ | 新・私の本棚 番外 愛川 順一 私の「邪馬台国」試論 1/2 再掲 »
「新・私の本棚」カテゴリの記事
- 新・私の本棚 大平 裕 『古代史「空白の百五十年間」の謎を解く』 第一章 2/2 補追(2024.12.08)
- 新・私の本棚 大平 裕 『古代史「空白の百五十年間」の謎を解く』 第一章 1/2 補追(2024.12.08)
- 新・私の本棚 大平 裕 『古代史「空白の百五十年間」の謎を解く』 序章(2024.11.26)
- 新・私の本棚 塩田 泰弘 『「魏志倭人伝」の行程と「水行十日陸行一月」について』 3(2024.11.25)
- 新・私の本棚 塩田 泰弘 『「魏志倭人伝」の行程と「水行十日陸行一月」について』 2(2024.11.25)
「倭人伝道里行程について」カテゴリの記事
- 新・私の本棚 「古賀達也の洛中洛外日記」 第3380話(2024.12.10)
- 新・私の本棚 大平 裕 『古代史「空白の百五十年間」の謎を解く』 第一章 2/2 補追(2024.12.08)
- 新・私の本棚 大平 裕 『古代史「空白の百五十年間」の謎を解く』 第一章 1/2 補追(2024.12.08)
- 新・私の本棚 大平 裕 『古代史「空白の百五十年間」の謎を解く』 序章(2024.11.26)
- 新・私の本棚 塩田 泰弘 『「魏志倭人伝」の行程と「水行十日陸行一月」について』 3(2024.11.25)
« 新・私の本棚 安本 美典 「倭人語」の解読 補足編 再掲 | トップページ | 新・私の本棚 番外 愛川 順一 私の「邪馬台国」試論 1/2 再掲 »
コメント