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2024年4月20日 (土)

新・私の本棚 番外 愛川 順一 私の「邪馬台国」試論 2/2 再掲

魏志倭人伝より「邪馬台国」を読み解く 季刊「古代史ネット」第2号 2021/03/25 
 私の見立て ☆☆☆☆☆ 勉強不足の我流空転 2023/01/11 2024/04/20

*加筆再掲の弁

 最近、Amazon.com由来のロボットが大量に来訪して、当ブログの記事をランダムに読み囓っているので、旧ログの揚げ足を取られないように、折に触れ加筆再掲していることをお断りします。

5.女王に従う「倭国」とは「邪馬台国連合国」(?)21国プラス6国(対馬、一大、末盧、伊都、奴、不彌)(?)と「投馬国」(?)である。これを「邪馬台国同盟国」とみる。(?)

コメント:

 意味不明の連発。とどめの「邪馬台国同盟国」は、皆目不明。「連合国」は、まるで第二次大戦です。敵は「枢軸国」でしょうか。
 因みに、従属していれば、対等の関係ではないので、どう見ても「同盟」/「連合」はあり得ません。と言うか、「倭人伝」にそのような時代錯誤は書かれていないのです。

6.「邪馬台国」と「投馬国」の日数(?)は、それぞれが連合国家(?)である故、其の国を巡邏(?)する旅程。故に、「邪馬台国」の「水行十日、陸行一月」は、「帯方郡」から「末盧国」までの、「水行十日」(?)を差し引いた「陸行一月」であり、同様に「投馬国」の「水行二十日」とは「水行十日」で国を巡邏(?)する旅程である。

コメント:

 日数」も、「連合国」ならぬ「連合国家」も「巡邏」も意味不明。三世紀倭人に「国家」などなかったはずです。日数論は、一段と意味不明です。

7.当時の近隣諸国との人口構成(?)からみて、大きさ、人口、国家形態が「邪馬台国」を連合国家。(?)
コメント:
 「近隣諸国」とは何のことやら。「人口」は意味不明の時代錯誤、「人口構成」も意味不明です。(年齢構成か)「國の大きさ」も意味不明。「国家形態」は、ますます不明。それにしても、全体に文になっていないようにも見えます。「...との人口構成」も、何のことやら意味不明。それにしても、文末処理は、誤編集操作でしょうか。せめて、書き始めた文を完結していただかないと、困るのです。

8.女王国の境は第2の「奴国」(?)であり、南は「狗奴国」と接しており、戦闘状態にある。(?)

コメント:

 狗奴国は、女王国と不和、つまり、服従関係になかったと言うだけで、主語が動揺していて、趣旨不明ですが、「奴国」が「狗奴国」と「戦闘状態」にあったとは書かれていません。

9.東の海を渡って、千余里(以東)の所にも国があり、それも倭人である。(?)

コメント:

 「東の海 」は、意味不明、出所不明。
 東は、「倭種」であって、「倭人」には属していません。属していれば、詳細を報告する義務があります。ここでは、以東は、基準点を含まないようです。それとも、さらに千里、つまり、果てしなく進むという解釈でしょうか。

10.後の中国の史料では、畿内の大和王朝(?)は「日本」と名乗っており、筑紫城に居た倭奴国の後裔(?)。

コメント:

 「後の中国の史料」は、正体不明。「筑紫城に居た倭奴国の後裔」も「畿内の大和王朝」も「倭人伝」に書かれていないので、確認不能。「日本」は、八世紀以後の新語で、これも、深刻な時代錯誤です。

11.中国の他の史料(?)と突き合せて読むことによって、3世紀以前の邪馬台国は倭国(?)であり、空白の4世紀(?)以降は日本(?)と名前を変えており、近畿(?)に拠点を置く大和朝廷(?)となっている事が窺える。(?)

コメント:

 「中国の他の史料」は、正体不明。何を突き合わせるのかも不明。 「三世紀以前」は、三世紀及びそれ以前の意味としても、それ以前、つまり、二世紀、一世紀等々のことは、「倭人伝」には明記されていません。魏代景初年間及びそれ以降を対象としているとして、結局は、三世紀の話がせいぜいです。
 因みに、当時、西洋風の「世紀」は知られていなかったので、陳寿に、「世紀」を意識した表現を求めても、無理というものです。

 もちろん、「倭人伝」に、四世紀及びそれ以降のことは「一切」書かれていません日本」は、「近畿」共々、藤原京、平城京及びそれ以後の用語であり、「倭人伝」論義に持ち込むのは、深刻な時代錯誤です。
 「大きな流れ」を見ても、何の話をされているのやら、「五里霧」中です。確か、本記事は「邪馬台国」私論だったのではないでしょうか。「圏外」乱闘は、ほどほどにして欲しいものです。

◯まとめ
 総じて、現代語とその誤用の氾濫で、折角の意欲的な提言が、あらぬ方に飛び散っていて意味不明です。先賢諸兄姉の山成す業績から、何も学ばなかったのか、それとも、よりによって、不勉強な論者のお手本を丸呑みしたのでしょうか。誰か、文章作法の講釈をしてくれる方がいないでしょうか。

 同号の塩田泰弘氏の論考は、長期に亘る考察の成果と見え、また、念入りに考証されているので、当ブログで賛同できない点に関して言及するときも、毎度、尊敬の念を持って批判します。えらい違いです。

 ぜひ、ご自身の意志で、先輩諸兄姉の「筆法」を学んで頂きたいものです。

                                以上

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