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2024年5月24日 (金)

新・私の本棚 水林 彪 「漢武帝・宣帝の半島・列島支配 6/6 再構成

中国古代帝国主義の東夷支配:その始まり」 『纒向学の最前線』 「纒向学研究」 第10号
桜井市纒向学研究センター「センター設立10周年記念論集」 2022/7 
私の見立て ★★★☆☆ 未完の大器 瑕疵幾度  2024/05/13, 05/17, 06/17

◯重大な不手際への苦言
 本稿は、論文として見て、些末とは言いがたい、重大な不手際が残されています。

*データ混乱
 図4 稲作の伝播・人の移住・弥生人の形成
 本図の出典は、「藤尾慎一郎 2015『弥生時代の歴史』講談社」のようですが、誤引用の訂正なのか資料改竄なのか、合成図の出典と制作責任者が不明で責任の所在は不明ですが、原図改竄の重大な不手際が露呈しています。

*症状:
 山東半島部の「前24世紀」は、「前4世紀」と書いた上の桁の「」の上に「2」を重ね書きしています。
 もうひとつの「前50世紀」は、「前0世紀」と書いた上の桁の」の上に「5」を重ね書きしています。
 貼り付けデータの「2」と「5」は一応「グループ」化されていますが、原図と一体化されていないので、容易に化けの皮が剥がされてしまうのです。誠に、不可解ですが、要するに、原資料を「改竄」しているのです。これによって、年代比定が二千年後世となるように改竄されています。
 動機も意図も不明ですが、改竄は改竄です。
 当ブログで、当コメントを作成する際に、図版が合成画像とわかったので、責任者不明で引用できなくなってしまったものです。

 本来、原データ引用部は、水林氏の著作部分と明確に区分して、水林氏が著作権を主張し得ない『第三者著作物の「引用」』と明記する義務があるのですが、現状は、区分を明記せずに一体化していて図全体が氏の著作物と見なされているようにみえます。
 それとも、貼り付けている「2」と「5」は、下敷きで一部隠れている藤尾氏の著作物でない、水林氏の創作という事でしょうか。

 くれぐれも、著作権のある資料の引用は、慎重であってほしいものです。いや、著作権の存在しない著作物には、その旨の明記が必要です。桜井市纒向学研究センターは、奈良県桜井市教育委員会の研究機関、つまり、地方公共団体の一部局であることから、桜井市の業務基準に従って運用されて知るものと思われますから、 その刊行物である「纒向学研究」誌は、繁雑などと言っていられないものです。誌の「コンプライアンス」遵守体制が問われると言うことは、桜井市の「コンプライアンス」 が問われているものと思います。

◯まとめ
 水林彪氏は、(遺跡/遺物)考古学の分野で深奥を極めた学究の士とおもわれますが、柵(しがらみ)のためにか、本稿では、足どりが揺らいで見えます。つまり、水林氏は、文献史学論考著述の定則に通じていないために、諸処に専門外の素人考えが露呈していて、強引なこじつけと受け取られ、不出来なものと思われます。特に、中国正史の信頼性を、対象となる膨大な資料を精読するという論証を経ずして、全面的に否定するかのような主張は、氏の見識/権限を越えた不法なものと見られるので、然るべき論文審査を経て公開されるべきものと思われます。

 巻末に[参考文献]に於いて、水林氏の専門である[考古学]分野はさておき、「文献史学など」とした括りで、氏の自著以外では、学術誌以外、一般向け解説書が記載されていますが、渡邊氏の新書以外についても、引用、依拠の際の氏の読解が適切なものであるかどうか、疑われてしまいます。更に言うならば、本稿の渡邊氏新書参照が、渡邉氏の斯界泰斗としての見識に疑義を投げ掛けると共に、水林氏の本領分野の名声を傷付けなければ幸いです。
 ちなみに、当方は、素人であり、生活がかかっていないし、史学分野での人間関係にも無頓着なので、率直な批判ができるのです。

                                以上

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