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2024年5月 5日 (日)

新・私の本棚 邪馬台国の会 第381回講演「邪馬台国」論争 三  2/10

 安本 美典            記2019/09/17 追記2020/10/06 2024/05/05
私の見立て ★★★☆☆ 古典的卓見の現状確認

*加筆再掲の弁
 最近、Amazon.com由来のロボットが大量に来訪して、当ブログの記事をランダムに読み囓っているので、旧ログの揚げ足を取られないように、折に触れ加筆再掲していることをお断りします。

3.張明澄事例
 最後に登場した張明澄氏は、当誌に倭人伝解釈議を延々連載したため、編集長安本美典氏の意向を忖度したと感じられて、証人資格に、重大この上ない疑義があると思われます。
 また、当誌上でしばしば展開された長広舌は、論考ならぬ雑情報や根拠不明の私見を権威めかしたものに過ぎず、論考はごく一般論に過ぎないと感じられます。疑わしければ実読いただきたいのです。それにしても、記事の最後に、時に披瀝される「本音」らしきものは、事態の真相をえぐって貴重な啓示となっているからです。ということで、氏の意見は、本件論証には寄与しないと推定されます。

 事実確認ですが、氏の経歴から、日本統治下の台湾で、少なくとも、「今日の小学校時代まで皇民教育を刷り込まれ、その世界観に染まっている」と推定されるので、「中国人史学者」として信を置くことが困難です。別に非難しているわけではありません。

 台湾が、日本統治時代の終了により「中華民国」に復帰して以来、当地に亡命した「中華民国」は、伝統的な中国文化の継承者として、歴史研究にも注力したと見え、正史二十四史の刊行などの大事業に取り組んだとみているので、氏が、以後どのような教育を受け、研鑽に励んだかは不明です。別に記したと思うのですが、「中華人民共和国」は、中国文化の継承ではなく、文化の「革命」、つまり、古典書の廃棄に邁進したと思われるので、伝統的な歴史教育は、随分疎かになり、むしろ、滅亡が危惧されたものと懸念しています。その意味では、台湾での歴史研究は、天下で唯一の中国文化の拠点が持続されていたものと推定していますが、その点は、滅多に語られないので、以上のように臆測するしかないのです。
 因みに、日本語に堪能な中国人である張氏は、執筆時日本在住であり、これまで、国交のない「本場中国人」とどう意見交換したか不明です。

 余談はさておき、氏が、季刊「邪馬台国」誌で展開した厖大な連載記事には、本件課題の「邪馬壹国」解明に寄与する議論は示されてないと思われます。長期に亘った連載記事の全体を入手してはいないので、全文照合はしていませんが、安本氏がここに引用していない以上、そのような有意義な論議はされていないと見るものです。

〇ひとくくりのスズメたち
 安本氏は、意味ありげに「中国人学者たちの、筆をそろえての批判」と言いますが、僅か三人限りで、それぞれ学識も境遇(住居国/地域は、中国、台湾、日本混在で交流不自由)も、論調も三者三様ですから、童謡の「スズメのがっこう」でもあるまいに「おくち」ならぬ「おふでをそろえて」と書かれると、センセイがムチをふったかなと思うのです。考えすぎでしょうか。

〇「芸風批判」の弊害
 以下でも言及するかも知れませんが、小生の意見では、本記事(掲載当時)で安本氏に求められているのは、本件の課題である「邪馬壹国」の「純粋に論理的解明」であり、少なくとも、「敵手古田氏の芸風批判ではなかった」のです。
 いや、張氏が、当時(氏名の文字使いが似通っているということか )若い世代に猛烈に人気の某タレントの芸風を「世界に通用しない日本だけの人気」と批判し、「古田氏はその同類」と揶揄する、誠に意味不明の「芸風」批判を垂れ流したので、そう言わされるのです。
 以下、古代史に無縁の芸風批判にあきれかえったころ、ようよう史学論めいた論議になるので、冗長、散漫の印象を招いたのは勿体ないと思うのです。

 追記:張明澄氏は、「季刊邪馬台国」連載記事の放埒な筆致を悔悟してか、後年「誤読だらけの邪馬台国」(久保書店 ジアス・ブックス 1992)なる新書版冊子に、連載記事の学術的な部分を抜粋刊行していて、まことに、市場に蔓延している軽薄な俗論を脱した好著ですが、当講演で共々言及されていないのは残念です。(2024/05/11)

                                未完

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