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2024年5月 5日 (日)

新・私の本棚 邪馬台国の会 第381回講演「邪馬台国」論争 三 10/10

 安本 美典            記2019/09/17 追記2020/10/06 2024/05/05
私の見立て ★★★☆☆ 古典的卓見の現状確認

*加筆再掲の弁
 最近、Amazon.com由来のロボットが大量に来訪して、当ブログの記事をランダムに読み囓っているので、旧ログの揚げ足を取られないように、折に触れ加筆再掲していることをお断りします。

〇安本氏見解の総括~承前
(6)承前

コメント:この項は、独立項でなく前項の続きとみても、趣旨不明です。
 「自然ではないか」と()内で論じて主語不明ですが、本項で何を主張しているのか不明です。()内は飛ばしてよい「はした」とみるものと思うのです。それにしても、前々項までの論理性が消失して不可解です。古田氏の「後漢書」読みを見損ねたのでしょうか。後漢書」は、「後漢代の大倭王の居処」を「邪馬臺国」と称しています。
 ついでながら、「南北朝の対立」、「五胡十六国」は、時間的に前後していますが古田氏記述の引用とも見え、だれに誤記の責任があるのか不明です。

(7)(a)さまざまな現象・事実がある。(b)いま、ある仮説を真とすれば、そのさまざまな現象・事実がうまく説明される。(c)それゆえ、その仮説を真とみる理由がある。以上は、ドイツのヒルベルトの説いた公理論(「公理論」については、拙著『「邪馬壹国」はなかった』参照)以後、アメリカの C・S・パース、ノーウッド・R・ハンスンなどによって発展させられ、現代の科学方法論の主流となりつつある見解である。

コメント:この項は、一段と趣旨不明です。ことは、史料解釈における歴史観・考察技法の議論ではないと思うのです。
 安本氏が、同時代史学論者の啓発を図る趣旨であれば良いのですが、ごくごく一般論として、三世紀「東アジア」の世界観を論ずるのに、ここに描かれた論は、時代、文化が大きく異なる、無効な議論ではないでしょうか。
 
〇総評として
 以上のように、当記事は、期待に反して安本氏旧論の蒸し直しで、不変の信念は健在なものの、当方の私見を変えるものではありませんでした。
 当方の理解は、たかが「邪馬壹国」論、「壹」の一文字に関してすら、古田氏の至極当然の主張、つまり、「倭人伝に関する史学論議は、まずは、現存史料を基礎/基点として議論すべきである」という提言を遂に否定できなかったとみます。
 安本氏ほどの論客が、決定的な論証が行き届かず、古田氏自身の個人資質に関する根拠不明の風評を大量に起用して誤記論を展開したのは、控え目に言っても、安本氏の器量不足を思わせ、失礼ながら勿体ないのです。

 手厳しい論難と取られるかも知れませんが、斯界の最高峰たる安本氏に要求される基準はとてつもなく高いのです。つまり、当稿は、氏に対する当方の絶大なる敬意の表れです。記事字数を見て察していただきたいものです。
 以上が、当講義録に対する誠実、かつ、率直な批評です。

*終結宣言の提案
 かねてより安本氏が表明されているように、論争は、当事者全てが終結に納得しない限り終結しないのです。まずは、安本氏から、不毛の事態の終結を提案いただければ、時を経ずして、天下を揺るがし続けている「邪馬台国」論は、平和裏に終熄するものと感じています。

 書き漏らしましたが、「翰苑」は、翰林院、すなわち、皇帝の関係する文書を司る役所であり、用語、表現を典拠のある、そして、美麗な表現とできるよう、選りすぐりの文例を集める、と言う趣旨のように思います。「翰苑」そのものは、帝室の物ですが、教養人がお手本とする愛読書であったようです。
                              以上

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