« 新・私の本棚 外野 ウィキ「古代史の散歩道」seit2023 3/6 補追 | トップページ | 新・私の本棚 外野 ウィキ「古代史の散歩道」seit2023 1/6 補追 »

2024年6月13日 (木)

新・私の本棚 外野 ウィキ「古代史の散歩道」seit2023 2/6 補追

ウィキ 「古代史の散歩道」2023/01/28 当記事 2023/01/31 2024/06/13

*加筆再掲の弁

 最近、Amazon.com由来のロボットが大量に来訪して、当ブログの記事をランダムに読み囓っているので、旧ログの揚げ足を取られないように、折に触れ加筆再掲したことをお断りします。代わって、正体不明の進入者があり、自衛策がないので、引きつづき更新を積み重ねています。

*ご注意
 ここで批判したウィキは、以下の不法な事態を是正して、ブログ形式に転換し、パクリタイトルを「新古代史の散歩道」に塗り替えているので、参照先は、宙に浮いていると思う。(確認する気には、ならない)
 この点、あらかじめ、ご理解頂きたいものです。

*批判と反論
承前
(引用)『南朝劉宋時代に裴松之が補注し「三国志」が成立した」との不可解な論断に続き、「今はそれも散佚した」という趣旨が、余りに唐突で、混乱しています。写本継承の過程で異同が生じたとしても、史書「三国志」は、「散佚」せず健全に継承されたとするのが妥当な見方』(引用ここまで)(参考文献3)と万年好奇心少年は批判する。ところが原文は「宋の429年に成った『三国志』であるが、今はそれも散逸した」(鳥越(2020),p.74)である。原文通りの引用をせずに書き換えて批判するのはルールに反する。裴松之が429年(元嘉6年)に執筆し、皇帝に提出した『裴松之補注版三国志』は残されていないので、散逸したと言って間違いではない。現存する最古の『三国志』(裴松之補注版)底本は 紹興年間(1131年-1162年)の刻本であって、429年の手書き原本ではない。万年好奇心少年のいう「余りに唐突で、混乱」はまったく事実に反する。万年好奇心少年の書きぶりは、世の中を惑わす批判であり、有害無益なブログといえる。

「世の中を惑わす」とは、「倭人伝」では、一女子卑弥呼が人心掌握したと賛辞と見え、盛大にお褒めにあずかったと感謝する。「批判」は、誹謗、弾劾で無い「批判」との指摘に異議は無い。「有害無益」は、論者の趣味嗜好であるから一身にとどめずお返しする。論者が、「倭人伝」論義を家業としていて、つまり、一家の生計を立てていて、当方のブログが、家業に不利益を齎しているとしたら、まことに申し訳ない。なにしろ、事の事実が分からないなかで、「全く事実に反する」のは不可能である。
 ちなみに、鳥越氏の論説の大部分は、いずれかの知恵袋からの差し入れに依存していて、文献史学者ならぬ氏自身の語彙と整合していないと見えるので、丸写しして批判するばかりでは、氏の真意を外れるかと思い、わざと「誤引用」したものでもある。
 要するに、以下に説き起こしているように、鳥越氏の内部では、冒頭で宣言した『「三国志」は、西晋史官陳寿の編纂した史書であるという認識』『正史「三国志」は、劉宋裵松之が付注した後世版であるとする認識』が混在していて、論者すら、しどろもどろなのを感じて、「鳥越氏は後者を正史として論じている」と(誤)認識したものである。
 因みに、論者から絶大な賛辞を頂くのは光栄である。以下同文である。

「史官裴松之の注釈が「大量」追加された時点で、はじめて「三国志」となったという解釈は、大変な見当違いです。」(参考文献3)と万年好奇心少年は書くが、鳥越氏はそのようなことは書いていないので、捏造した引用である。鳥越氏は解説の冒頭で「『三国志』は陳寿が・・・合計65巻として完成させたものである」(参考文献7,p.76)と書いているので、裴松之の注釈が書かれる前に『三国志』が成立していることは、説明している。その後半に「裴松之が数倍の分量にして補注し、それが宋の429年に成った『三国志』である」と、『原本三国志』と『裴松之補注版三国志』とは区別して書いているのである。つまり補注により『三国志』が初めて作られたわけではない。さらに『原本三国志』はそもそも残されていないので、裴松之が補注を入れる前の状態は誰も確認できないのである。

 まず、「同時代に「魏志」を読んだ人間がいる」のは自明なので確認を要しない。「誰も確認できない」も、非学術的で同意しがたい。現代人が、二千年近い過去を見聞できないのも自明で、当世風自虐趣味かと危ぶむものである。
 裴松之は、当時最善とされた三国志原本に「大量の」注記を行ったのであり、当然、補注前の状態は承知していた。それが、科学的な議論と思う。別に同意されなくても結構で、せめて同時代人の意図を読み取って頂きたい。
 因みに、先だって、「『三国志』は名著になったとする評価もある」とあるのは、明らかに、「裴注版」に関する風評であるが、趣旨不明である。

万年好奇心少年は「現存最古の「三国志」の最有力な巻本は、宮内庁書陵部が管理している南宋刊本ですが、第一巻から第三巻が逸失しているものの、それ以外の全巻は、健全に継承されているので、とても、散佚とは言えない」(参考文献3)と書くが、宮内庁書陵部にあるのは、「晋 陳寿、宋 裴松之註」の百衲本(紹興年間(1131年-1162年))であるから、陳寿の原本は失われている。

                                未完

« 新・私の本棚 外野 ウィキ「古代史の散歩道」seit2023 3/6 補追 | トップページ | 新・私の本棚 外野 ウィキ「古代史の散歩道」seit2023 1/6 補追 »

倭人伝随想」カテゴリの記事

新・私の本棚」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 新・私の本棚 外野 ウィキ「古代史の散歩道」seit2023 3/6 補追 | トップページ | 新・私の本棚 外野 ウィキ「古代史の散歩道」seit2023 1/6 補追 »

お気に入ったらブログランキングに投票してください


2025年3月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カテゴリー

  • YouTube賞賛と批判
    いつもお世話になっているYouTubeの馬鹿馬鹿しい、間違った著作権管理に関するものです。
  • ファンタジー
    思いつきの仮説です。いかなる効用を保証するものでもありません。
  • フィクション
    思いつきの創作です。論考ではありませんが、「ウソ」ではありません。
  • 今日の躓き石
    権威あるメディアの不適切な言葉遣いを,きつくたしなめるものです。独善の「リベンジ」断固撲滅運動展開中。
  • 倭人伝の散歩道稿
    「魏志倭人伝」に関する覚え書きです。
  • 倭人伝道里行程について
    「魏志倭人伝」の郡から倭までの道里と行程について考えています
  • 倭人伝随想
    倭人伝に関する随想のまとめ書きです。
  • 動画撮影記
    動画撮影の裏話です。(希少)
  • 古賀達也の洛中洛外日記
    古田史学の会事務局長古賀達也氏のブログ記事に関する寸評です
  • 名付けの話
    ネーミングに関係する話です。(希少)
  • 囲碁の世界
    囲碁の世界に関わる話題です。(希少)
  • 季刊 邪馬台国
    四十年を越えて着実に刊行を続けている「日本列島」古代史専門の史学誌です。
  • 将棋雑談
    将棋の世界に関わる話題です。
  • 後漢書批判
    不朽の名著 范曄「後漢書」の批判という無謀な試みです。
  • 新・私の本棚
    私の本棚の新展開です。主として、商用出版された『書籍』書評ですが、サイト記事の批評も登場します。
  • 歴博談議
    国立歴史民俗博物館(通称:歴博)は、広大な歴史学・考古学・民俗学研究機関です。「魏志倭人伝」および関連資料限定です。
  • 歴史人物談義
    主として古代史談義です。
  • 毎日新聞 歴史記事批判
    毎日新聞夕刊の歴史記事の不都合を批判したものです。「歴史の鍵穴」「今どきの歴史」の連載が大半
  • 百済祢軍墓誌談義
    百済祢軍墓誌に関する記事です
  • 私の本棚
    主として古代史に関する書籍・雑誌記事・テレビ番組の個人的な読後感想です。
  • 纒向学研究センター
    纒向学研究センターを「推し」ている産経新聞報道が大半です
  • 西域伝の新展開
    正史西域伝解釈での誤解を是正するものです。恐らく、世界初の丁寧な解釈です。
  • 資料倉庫
    主として、古代史関係資料の書庫です。
  • 邪馬台国・奇跡の解法
    サイト記事 『伊作 「邪馬台国・奇跡の解法」』を紹介するものです
  • 隋書俀国伝談義
    隋代の遣使記事について考察します
  • NHK歴史番組批判
    近年、偏向が目だつ「公共放送」古代史番組の論理的な批判です。
無料ブログはココログ