今日の躓き石 毎日新聞スポーツ面の「リベンジ」再来 順当な番狂わせか
2024/06/04
今日の題材は、毎日新聞 大阪・河内面だから、地方ネタとして読み流そうかと思ったが、全国紙の(地域面)一面だから、ちゃんと敬意を表すことにした。もちのろん、「大ガス リベンジ勝利」と敵性/毒性語を紙面に書き出して、多くの読者に、毎日新聞が「リベンジ振興会」に属していると誤解され、日常会話で乱用が進むという、徹底的な害毒があるから、一言申し上げたのである。当ブログでお馴染みの指摘であるので、背景説明は省略する。
合わせて、同記事が報道の基本に反している点も、指摘して良いのではないかと感じて、批判する次第である。
「大阪ガス株式会社」は、創業以来120年近い歴史を有し、「主に京阪神をエリアとする一般ガス事業者」であるから全国営業していないが、「大阪ガス硬式野球部」は、都市対抗野球大会 出場28回、優勝1回(2018年)、社会人野球日本選手権大会 出場26回、優勝3回(2019年、2021年、2023年)の赫赫たる実績を挙げている名門チームである。近年で云えば、地元の阪神タイガースに、能見篤史(投手)、近本光司(外野手)等の名手を送り込んでいる。(Wikipediaによる)
「大ガス」(ダイガス)は、「日本一のガス会社を想定した社名通称」ではなく、「大阪ガス硬式野球部」の通称と思うが、ここだけ切り取れば、「毎日新聞」が、「大阪ガス」に泥を塗っているという印象を受けかねないのである。
それはさておき、「大ガス」の野球部が、前回の近畿地区予選で特定チームに負けたことに遺恨をもって、血祭りに上げることを標榜/公言していたとは思わない。一種「フェイクニュース」ではないか。
当記事で、地域面記者は、(地域面)一面のトップ見出しで、この勝利を謳い上げている。本大会優勝どころか、まだ、代表に決定したわけでもない。「大ガス」が、ほんの通過点である近畿地区予選で一勝したことを、これだけでかでかと取り上げているのを目にすると、「ニュースバリュー」を勘違いしているのではないかと思うのである。いや、誤報とは言いきれないから、クビを傾げただけである。
古来、「人が犬を噛めばニュース」というように、野球の報道でも、新聞は予想外の番狂わせ(upset)を報道するものであり、強豪チームが順当に勝ち進んだ、それも「第4代表決定トーナメント4回戦」に一段勝ち上がったというのでは、ニュースになるものではないと思うのだが、いかがだろうか。
担当記者が、たまたまものを知らないで書いたとしても、3人連名であるから、揃って、不出来と言うことになったしまうし、その不出来が、そのまま紙面を飾るようでは、全国紙の沽券に関わるのではないか、と思う次第である。
以上
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