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2024年6月13日 (木)

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ウィキ 「古代史の散歩道」2023/01/28 当記事 2023/01/31 2024/06/13, 06/15

*加筆再掲の弁

 最近、Amazon.com由来のロボットが大量に来訪して、当ブログの記事をランダムに読み囓っているので、旧ログの揚げ足を取られないように、折に触れ加筆再掲したことをお断りします。代わって、正体不明の進入者があり、自衛策がないので、引きつづき更新を積み重ねています。

*ご注意
 ここで批判したウィキは、以下の不法な事態を是正して、ブログ形式に転換し、パクリタイトルを「新古代史の散歩道」に塗り替えているので、参照先は、宙に浮いていると思うものです。(確認する気には、ならない)
 この点、あらかじめ、ご理解頂きたいものです。

承前
 当方が「南宋刊本」としか書かなかったのは論点に関係無いからである。「晋 陳寿、宋 裴松之註」の百衲本(紹興年間(1131年-1162年))であると、論者が意味不明に指摘しているが、要らぬ紛争は、避けたかったのである。
 論者が、南宋刊本すら的確に識別できていないのは、痛々しいのである。まして「原本」の意味もあやふやなのであり、かつ、鳥越氏の認識も理解できていないので、ここで鳥越氏の代弁にしゃしゃり出るのは、僭越なのである。

 子供(賈孺)に言い聞かせるようでつらいのだが、まず、中国では、政権交代どころではない内乱がしばしば起こっていて、国宝と言うべき正史原本すら、種々の損害を被ったのは衆知である(論者が知っているかどうかは「衆知」の適否に関係しない)。但し、三国志は、正史の中でも格段に損害を受けることが少なく、少なくとも、劉宋裵松之による校訂、唐初の国家事業としての校訂、北宋期の刊刻時の大規模校訂、南宋初期の二度に亘る刊刻時の校訂と、原本継承の損害からの復元が行われていて、最も原本に近いテキストが維持されていると見るべきである。

 ところが、論者は、何も知らないままに、裵松之補追の際にそれ以前の原本が喪われたと戯言を述べていて、信用を無くしているのである。裵松之は、その時点の三国志原本に手を加えることなく、注を追記、つまり、原文はそのままで書き加えているのであり、その時点の補注前の原本テキストは確実に保存されているのである。この点は、現行刊本で「容易に」確認できるのであるから、他人に声高に主張する前に、調べ尽くすものであり、「知らない」、「記憶にない」では済まないのである。
 要するに、論者の属する学閥は、「魏志倭人伝」原本に、「邪馬臺国」と書かれていた4文字が、継承中の手違いで「邪馬壹国」と変容したとの一点に、組織の生存をかけているので、陳寿原本を読んだものは誰もいない等と、子供(賈孺)じみた発言に始まり、論者のように、宮内庁書陵局が影印本を公開している南宋「紹熙本」を、同時期に南宋で刊行された「紹興本」と全文字同一ではないと称して事態を混濁させている(のだろうか)のに巻き込まれているのである。この辺り、論者は、専門家でない素人判断で強弁するために、しどろもどろで痛々しい。

 本論では、宮内庁書陵部が継承管理しているのは、普通「紹熙本」と呼ばれているが、「南宋刊本」で十分であり、また、これは「百衲本」そのものでないとの定評がある。「紹興年間(1131年-1162年)」は、何の意味か不明で、論者の意識混乱と見える。紹興本は、紹凞本より刊行時期が早いが、テキストの信頼性に疑義があるという事で、さほど年月を経ないうちに、刊刻事業を再度行って、よりよい紹凞本を成し遂げたというものであり、要するに、論者は聞く相手を間違えたようである。
 因みに、ここは、紹凞本が現在最有力な刊本と確認するだけでなく、二千字ほどの「倭人伝」原本テキストを確定しないと議論が始められない(はず)なので、宮内庁書陵局の公開史料を提示したのである。紹興本については、印影が伝わるだけで原本が確認されていない(と思われる)ので、避けられていると言うべきである。
 つまらぬ言いがかりには、関わり合わないのが最善であるが、つい長々と「教育的指導」を施してしまった。慚愧である。

原本にどのように書かれているかを知る方法はないという意味で、「散佚」と言って差し支えない。

 論者は、独特の「字書」をお持ちのようで、「散佚」と称して、「三国志」全体が「散った」「失われた」と言いふらすのは、大いに「差し支え」がある。論者の家庭の事情は察するが、つまらない点で誤謬にこだわるのは、後世に誤った意見を伝えるので、程々にされた方がいいようである。大丈夫であろうか。何にしろ、正確に知らないことを間違ったままで高言するのは、罪作りである。
 わざわざ、このようにブログネタにして指摘するのは、論者の仲間から意図不明の誤伝/妄言が出回っているからである。中国史書の資料評価であるから、個人創作の字書は控えて、漢字字書を参照して「散佚」を解するものと思われる。何しろ、「三国志散佚」論は、途轍もない言いがかりと見える。

 史書「散佚」の好例として、関連資料で言うと、魚豢「魏略」は、善本が全く残存していないもので、史書や類書への断片的引用「佚文」が残存しているだけである。これに対比して、健全に継承されている正史が「散佚」したとは、読者に混乱を呼ぶのでは無いか。とくに、魏略佚文の「倭人伝」相当部分は、所引の際の不正確な引用に「定評」のある「翰苑」所収であって、誠に断片的である。「倭人伝」も、ゴミの山なのだろうか。

 鳥越氏は、「翰苑」所引の「魏略」佚文の史料批判無しに、陳寿「魏志」倭人伝は、魚豢「魏略」を写したものと称しているが、受け売りとしても鳥越氏ほどの高名な論者にしては、不用意/不都合である。そのような不合理まで指摘すると厖大になるので、武士の情けで、初稿では割愛したのである。所詮、本項は、ブログなる身辺雑記の書評稿公開であり、これを「学術的」論考並に審査されても、恐縮/困惑するだけである。まして、論考審査するのが不出来な者ではどうしようもない。
根拠をもって、そう言っていただければ良いのである。べつに「完璧」(玉の至宝に瑕疵一つない)というものではない。
 世上噂されている諸兄姉の判断の根拠は風の如く不明であるから、当方の意見を述べただけだけである。別に排他的に論じているわけでは無い。論者の生業を妨げる意図はない。

万年好奇心少年の主張は単なる言いがかりである。

 「単なる」「言いがかり」とおっしゃる意味が分からないが、拙論は「孤」つまり「隣」の無い一論であるから、「単なる」かも知れないし、事の取っつきを求めた「口切り」であるから「言いがかり」かも知れないが、それでどうしたというのか、一向に通じない。
 大事なのは、鳥越氏の唱えたと見える史料観が一方的であり、売り言葉にこたえると、高名な論者にしては、ずいぶんいい加減な言いがかりなので、反論による是正が必要だという意見であるから、内容についてご意見を頂きたいのである。

「鳥越氏は解説の冒頭で「『三国志』は陳寿が・・・合計65巻として完成させたものである」(参考文献7,p.76)と書いているので、裴松之の注釈が書かれる前に『三国志』が成立していることは、説明している。その後半に「裴松之が数倍の分量にして補注し、それが宋の429年に成った『三国志』である」と、『原本三国志』と『裴松之補注版三国志』とは区別して書いているのである。」

 僅かな間に、鳥越氏の筆が踊り『三国志』の定義が転々としていて、前後で意味が変わっているのである。

                                未完

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