新・私の本棚 番外 倉山 満 学校で習った「中国の歴史書」はデタラメばかり 6/6
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*加筆再掲の弁
最近、Amazon.com由来のロボットが大量に来訪して、当ブログの記事をランダムに読み囓っているので、旧ログの揚げ足を取られないように、折に触れ加筆再掲したことをお断りします。代わって、正体不明の進入者があり、自衛策がないので、引きつづき更新を積み重ねています。
*承前
ただ、雄略天皇が「武」に当たるのは間違いないとして、逆算してその前の時代を考察しているのです。 中略
「雄略天皇が「武」に当たるのは間違いない」との「仮説」は、書紀崇拝者に聞き心地が良いので信奉されていますが、「間違いない」とは、何かの勘違いでしょう。本当に、本当に間違いないのなら、とうに全て解決しているはずです。解決しないのは、「仮説」が間違っているからではないでしょうか。普通の時代考察は、そのようにして、脆弱な仮説を淘汰して進化するものです。
いや、別に、人の生き死にに関することではないので、冷徹に見きわめるべきです。
「中国の史書絶対視の歴史観」が、どこのどなたのことか不可解ですが、中国史家が東夷「書紀」を全篇確認完全否定とは見当違いでしょう。
「書紀」の継承について評すると、古来、平安時代までは「聖典」扱いされていたのか考証がされていませんが、鎌倉時代以後の武家の時代は「危険思想」、禁書扱いで考証されず丸ごと「トンデモ本」扱いされたと見えます。
中略 特に、第二十一代雄略天皇は超狂暴な天皇として描かれます。 中略 本当でないなら、何のためにこんな話を書くのでしょうか。
ご質問には返事できませんが、所感は同感です。
このあたりの氏の「超」「グロ」嗜好には関与しませんが、それを公開するのは勘弁して欲しいものです。当然の生理現象でも、公衆の面前ではご勘弁いただきたい。
*無知/無理解なのは誰か
「わからない」に向き合う態度が欠けている
別に『日本書紀』と中国の史書、どちらかが百パーセント信用できて、もう一方を無視して良いなどとは言っていません。本当の事は「わからない」に向き合う態度が必要なのではないか、と言っているだけです。これは日本古代史だけではなく、すべての歴史学者のあるべき態度でしょうし、歴史学以外のいろんなことでも大事な心構えだと思っています。
氏には、ご自身の専門分野である「憲政史」なる耳慣れない「学」に付いて、ご託宣を述べる権利があるとして、「古代史」について、素人の聞きかじりをご講義いただくのは、ご遠慮いただきたいところです。
まして、すべての歴史学者に神がかりを述べるなど、僭越の極みでしょう。思いあがりは程々にして、周囲の方とも相談して、取りかえしのつかないことに成らないよう、ご自愛いただきたいものです。
◯終わりに
*蓼食う虫
それにしても、著者の拙(つたな)い筆を暴露するという扶桑社新書のすさんだ営みがプレジデントオンラインに活写されていて、一冊の新書の杜撰な紹介を公開したので、関係者に対する世上の信頼性が一斉に低下するのは、見事です。
古来、途方もない新説も繰り返し説けば、百人に一人の賛同者が得られるとの箴言があり、氏の例は、筆勢さえあれば、五十万部は売れるという例のようです。「蓼食う虫も好き好き」という事です。
ちなみに、蓼の(おそらく)ひどい味も、虫に味覚はないので食べて種をばらまく虫がいます。それで蓼は世代を超えて生き続けます。むしろ、(おそらく)独特の匂いで鳥や虫を遠ざけて、一部の虫に好まれることで、互いに生き続けているかも知れません。進化の妙でしょう。
*蝦蟇の油
締めめいたことを云うと、氏は、無自覚/無知の強みで、断言/誹謗をくり返していますが、いずれ、知識を身につけた後は「蝦蟇の油」の例え同様、ご自身の醜態に恥じ入るしかないでしょう。勿体ないことです。
以上
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