新・私の本棚 番外 サイト記事 M・ITO 邪馬台国と日本書紀の界隈 2/3 三掲
『三国志』「魏志倭人伝」後世改ざん説の可能性を考える〈1〉 2018-02-27
私の見立て ★☆☆☆☆ 論旨瞑々、覚醒期待 2018/05/29 2018/11/25 2022/11/19補筆 2024/07/03
*加筆再掲の弁
最近、Amazon.com由来のロボットが大量に来訪して、当ブログの記事をランダムに読み囓っているので、旧ログの揚げ足を取られないように、折に触れ加筆再掲したことをお断りします。代わって、正体不明の進入者があり、自衛策がないので、引きつづき更新を積み重ねています。
*個別確認1 まとめ
残簡記事が、誰も知らない、誰も知り得ない「史実」を正確に記録しているかどうかは、本論に無関係であり、倭人伝が問い掛けている「問題」でもありません。論点がそっぽを向いています。
また、敦煌残簡が、「呉国志」以外の史料、例えば、韋昭編纂の「呉書」稿、あるいは、私的史稿を写した可能性は、否定も肯定もできないものです。裴注が見当たらないのも、その傍証です。
正体不明、由来不明の史稿残簡が、「呉国志」と異なる構文としても、何かを証明するものではないのです。
*個別確認2
2.の論証は、物証の示すとおりです。だからといって、何かを証明するものではありません。
*個別確認3
3.「残簡は、その時点の国志写本を正確に写し取っている」とは、時点の「呉国志」時代原本が確認できない以上、検証不能です。
つまり、3の論証は、論者の私的な推定に過ぎません。
残簡作成者が参照した写本の正確な書写を指示されていたかどうかも不明です。孫氏政権の功臣事歴を、個人的な目的で綴り上げたかもわかりません。要は何もわからないのです。
*巻紙談義~余談
残簡は、明らかに巻紙に書き込まれたものであり、行当たりの字数が一定していませんが、字数(行格)を揃えるのは、正確な写本の基礎であり、それが守られていないということは、厳格な写本がされていないことを物語っています。
それにしても、国志写本が、当初、巻紙だったのか、冊子だったのかは断言できません。
後漢朝末期の混乱期間に洛陽周辺の紙業も大いに混乱したと思われ、国志編纂時に定寸単葉紙が大量に調達できたかどうか不明です。慣用表現とは言え、国志が巻表示なのも、重視すべきでしょう。つまり、当時、帝室書庫に厳重保管されていた国志写本は門外不出とは言え、巻物形式であった可能性が高いと思われ、敦煌残簡が巻物形式であること自体は、不審の原因とはならないようです。
国志各巻は、長巻物と予想され、残簡上に写本上必要と思われる目印が見られないのは、若干、否定的な要素です。
なお、写本、刊本が、袋綴じの単葉紙になったのは、遅くみると、北宋咸平年間の木版刊本時と思われます。巻紙は印刷できないためです。
*改竄重罪
当代最高写本工まで巻き込む「正史改竄」は、以後の写本に引き継がれても、世にある写本は書き替えられないので、いずれ露見します。「正史改竄」は皇帝に対する大逆罪であり、最高の重罪で、関係者一同とともにその一族の連座処刑もあり得るので、同志を得られず、実現不能と思量します。
それにしても、それほど大がかりな改竄を、あえて、どこの誰が 企画し、命がけで 実施したのでしょうか。露見すれば、共犯者も同罪であり、事情を知らない協力者も、又、同罪です。家族まで巻きこんで、一族絶滅となりかねないのです。共犯として連座するのを免れるには「密告」するしかないので、到底秘密を守れないのです。
くり返しになりますが、そのようにしてまで「倭人伝」記事を改竄するのは、なぜなのでしょうか。
未完
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