倭人伝随想 2 倭人暦 社日で刻む「春秋農暦」1/3 三掲
2018/07/07 2018/11/24 2024/05/08, 08/19
*加筆再掲の弁
最近、Amazon.com由来のロボットが大量に来訪して、当ブログの記事をランダムに読み囓っているので、旧ログの揚げ足を取られないように、折に触れ加筆再掲したことをお断りします。代わって、正体不明の進入者があり、自衛策がないので、引きつづき更新を積み重ねています。
*随想のお断り
本稿に限らず、それぞれの記事は随想と言うより、断片的な史料から歴史の流れを窺った小説創作の類いですが、本論を筋道立てるためには、そのような語られざる史実が大量に必要です。極力、史料と食い違う想定は避けたが、話の筋が優先されているので、「この挿話は、創作であり、史実と関係はありません」、とでも言うのでしょう。
と言うことで、飛躍、こじつけは、ご容赦いただきたいのです。
□社日で刻む「春秋農暦」
*「社日」典拠 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
社日(しゃにち)は、雑節の一つで、産土神(生まれた土地の守護神)を祀る日。春と秋にあり、春のものを春社(しゅんしゃ、はるしゃ)、秋のものを秋社(しゅうしゃ、あきしゃ)ともいう。古代中国に由来し、「社」とは土地の守護神、土の神を意味する。春分または秋分に最も近い戊(つちのえ)の日が社日となる(後略)
社日は、白川静師編纂の辞書「字通」にも記されています。
社日(しゃじつ) 立春、立秋の後第五の戌の日。〔荊楚歳時記 、社日〕 (後略)
また、「社」自体に、社日の意があるとされています。
「荊楚歳時記」宋懍(劉宋) 守屋美都男:訳注 布目潮渢 中村悠一:補訂 東洋文庫 324
*社日随想
雑節は、二十四節気、以下「節気」、に則っているので、社日は、太陽の運行に従っています。社日が今日まで伝わっているのは、一年を二分する「農暦」の風俗の片鱗が太古以来伝わっているということなのでしょう。
*太陰太陽暦
月の満ち欠けで暦を知る「太陰暦」は、文字で書いた暦がない時代、月日を知るほぼ唯一の物差しでしたが、「太陰暦」の十二ヵ月が太陽の運行周期と一致していなくて、春分、夏至などの日付が変動するため、何年かに一度、一ヵ月まるごとの閏月を設けます。一般に「太陰暦」と呼ばれても、実際は、太陽の運行と結びついた「太陰太陽暦」であり、これを簡略に「太陰暦」と称しているのです。
「八十八夜」、「二百十日」雑節が、立春節季に基づいているように、太陽の恵みを受ける稲作は、万事太陽に倣って進めなければならないと知られていたのです。
一方、「太陰暦」は、海の干満、大潮小潮を知るためにも、広く重用されたのです。
*節気と農事
節気は、日時計のような太陽観測で得られ、毎年異なる「太陰暦での節気」を基準として農務の日取りを決めて、社日の場で知らせたとみているのです。いや、各戸に文書配布して農暦を通達できたら、元日、年始の折にでも知らせられるでしょうが、当時、文書行政はないし。納付は、一般に文字を読めないので、実務の場で、徹底することが必要だったのです。
未完
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