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2024年9月 5日 (木)

毎日新聞 歴史の鍵穴 地図幻想批判 7 吉野宮の悲劇 2/2 再掲

  大海人皇子の吉野宮 天智の宮の真南か
 =専門編集委員・佐々木泰造
 私の見立て☆☆☆☆☆ 重大な権利侵害の疑い   2016/11/17 再掲 2024/04/17, 09/05

*加筆再掲の弁
 最近、Amazon.com由来のロボットが大量に来訪して、当ブログの記事をランダムに読み囓っているので、旧ログの揚げ足を取られないように、折に触れ加筆再掲したことをお断りします。代わって、正体不明の進入者があり、自衛策がないので、引きつづき更新を積み重ねています。

◯本論
 当連載の問題点の内、執拗なものは、毎回同一症状なので、本来は、またやっている程度で済むのだが、それでは、書いていてたまらないので、ちょっとずつ視点を変えて指摘するのである。それにしても、どう言えば、理解できるのかと困惑しているのである。
1.プログラムの権利侵害
 今回も、当記事で「カシミール3D」を引き合いにしているが、プログラム作者の権利を侵害していないだろうか。
 プログラム作者は、現代の環境、つまり、国土地理院の地図・地形データなど、動作確認済みのデータを使用する際には、表示対象となっている地形を正確に表示するように努めたはずである。(当然果たすべき機能として、暗黙の保証がされているのである)しかし、誰が考えても、それ以外の条件については、何の保証もできず、従って、責任もとれないはずである。

 いかなる地図データもない7世紀について、現時点の地図データを適用して地図化することは、「カシミール3D」の保証外と言うか論外であろう。また、地図上の遺跡、遺構の位置については、さらに明らかに「カシミール3D」の保証外である。

 つまり、プログラム作者の保証できないような利用方法でありながら「カシミール3D」で作図したと表明して、読者が、記事の主張は(信頼性に定評のある)「カシミール3D」で確認済みだから根拠がある、と誤解させるのは、欺瞞行為であろう。

 まして、ここに示されているような使用方法は、「カシミール3D」のいわば改造に類するものであり、改造されたプログラムの動作結果に「カシミール3D」の名を冠して表示するのは、プログラム作者の権利の重大な侵害と思う。

 従って、常識で考えればわかるのだが、この記事で示されている図や距離、角度の数値は、同記事筆者である専門編集委員が「勝手に」、つまり、記事筆者が自己の責任の基に勝手に取り出したものであり、その旨明記して、「カシミール3D」に責任がないこと、つまり、「免責」を明記しなければならないと思うのである。

2.データベースの権利侵害 
 「カシミール3D」は、自身の地図・地形データを持たず、何れか動作確認済みの地図・地形データを利用するものであるが、ここまでの連載記事に、地図・地形データ提供者の表示がないのは、まず第一に不当なものと考える。

 記事に掲載された地図、角度、距離などが、データ提供者の地図・地形データを利用したことが書かれていない上に、そのデータ以外のデータ、つまり、遺跡遺構の位置など、追加した部分の地図・地形データ提供者が書かれていないのである。

 さて、データ提供者が提供している地図・地形データは、言うまでもなく現時点のものであり、その正確さについては、地図・地形データ提供者が責任を持って保証しているものと信ずる。

 現代の地図データの信頼性は、測定時と現在の間については、校正され、ある範囲内の精度が保証されていると思うのだが、古代地形については、その時点で測定していないから、地図データがなく、保証できないのが当然である。
 現時点の地図・地形データを古代に適用して勝手に古代の地図を描くのは、地図・地形データの時間要素の改造にあたり、誠に勝手な使用であり、現代の地図・地形データ提供者が提供しものだと暗に表明するのは、地図・地形データ提供者の権利の侵害である。

 現在まで連載記事の地図などに使用されたのは、おそらく国土地理院の地図・地形データだから正確なものと読者が想像すると、読者は、国土地理院は、現在の地図・地形データが7世紀にそのまま適用できると保証したと勘違いしてしまうのである。

 過去の批判でも言ったのだが、当記事で「カシミール3D」を使用しているとだけ言って、その後、0.1度単位の高精度の数字を得たと書くと、それは、「カシミール3D」が、精度というか信頼性を保証していて、記事筆者は、それを信じて書いた、となってしまうのである。計算結果の数字が間違っていたら、それは、「カシミール3D 」ないしは影に隠れている国土地理院の責任になってしまうのである。誠に、無責任な態度である。

 常識で考えればわかるのだが、この記事で示されている図や距離、角度の数値は、記事筆者たる専門編集委員が「勝手に」、つまり、自己の責任の基に勝手に取り出したものである旨明記して、地図・地形データ提供者、おそらく、国土地理院に責任がないこと、免責を明記しなければならないと思うのである。

 以上を総括すると、一連の記事は、古代遺構が地図上で直線上にある、などの地図上の数値データによる判断だけを論拠にしているから、それらの数値データが科学的な根拠を持たない、いわば、記事筆者のお手盛りの捏造データであるとしたら、これまでの連載で提示されたすべての仮説が捏造となる。とんでもない話である。

 毎日新聞は、科学的な根拠の提示されていない、妄想としか言えない記事をなぜ、延々と掲載し続けるのだろうか。専門編集委員の名の下に掲載された記事について、毎日新聞社が責任をもつというのはも当然の理窟に思える。

 当方は、個人の誤りは当人が自力で気づいて訂正しない限り解決しないという考え方をしているから、「自力で気づいて」くれるように、毎回穏やかに綴っていたが、その気配はなく、今回は、また一つ当方の忍耐の限界を超えたようである。遂に、プログラム作者やデータ提供者の権利侵害、つまり、犯罪行為だと指摘せざるを得ないところに来ているのである。

以上

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