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2024年12月23日 (月)

今日の躓き石 毎日新聞高校駅伝記事の汚点 上位校に「リベンジ」の汚名

                      2024/12/23

 今年の高校駅伝は、折悪しく観戦できなかったが、各校が最善を尽くした健闘が展開されたものと信じているのである。
 ところが、本日の大阪13版のスポーツ面で、3年連続2位の好成績に酬いるのに「リベンジ 後輩に托すと、主催紙である毎日新聞は、無残な見出しを貼り付けている。高校生の活動に対して、テロリズムの進める「流血の復讐」の応酬、無限連鎖を賛美するがごとく、見出しで言いたてるのは、全国紙の首座ともいえる毎日新聞として、まことにとんでもない話しである。

 いや、それは、約三十秒の大差を半分まで追い詰めた最終走者の悔しさのやりどころのない感情が滲み出たとしても、ここまでさらし者にする事はないのではないかと思うものである。というものの、監督談話で、二区、三区の出遅れを殊更に指摘しているように見えるのは、個人攻撃に繋がりかねないので大変残念である。引用符がないので、監督の非情な発言は担当記者の創作かもしれないが、それなら、一段と無情な報道である。いい加減で、敗因追求型の報道はおしまいにして欲しいものである。
 それにしても、この三年間の精華を「敗北」扱いして回顧しているのは、担当者の精神の貧困を露呈していて無残である。誰か止めてやるべきではないかと苦言を呈する。特に、一昨年の二位入賞を、最終区間走者の不出来による屈辱と糾弾しているのは、困ったものである。
 全国大会で二位であるというのは、大多数の参加チームにとって、憧れても得られない栄光の地位である。絶対に負けることのない、反撃されることのない担当記者が泥を塗るべきではない。

 また、当のチームは、最終走者が一人で走り抜いたのではない。先行する走者の全力の走りの最後を受けたものであり、全力を尽くして及ばなかったことを非難するのは、見当違いである。むしろ、頌えるべきである。事前取材はしていなかったのであろうか。

 見当違いの評価をしている担当記者の貧しい見識が、今回のとんでもない見出しに表れたのであろうが、これから後の同校の活動が、血なまぐさい復讐心で彩られるというのは、途轍もない侮辱であろう。毎日新聞社は、謝罪広告を掲げるべきであろう。それこそ、「雪辱」と言うべきものである。

 全体に、担当記者が「雪辱」の予想/予定記事を誇大表現で盛り立てていたものが、ポロリと漏れ出したかとも見える。一度、今回の「敗因」を整理して、雪辱を期して欲しいものである。

以上

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