新・私の本棚 番外 倉山 満 『学校で習った「中国の歴史書」はデタラメばかり』 1/6
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*加筆再掲の弁
最近、Amazon.com由来のロボットが大量に来訪して、当ブログの記事をランダムに読み囓っているので、旧ログの揚げ足を取られないように、折に触れ加筆再掲したことをお断りします。代わって、正体不明の進入者があり、自衛策がないので、引きつづき更新を積み重ねています。
◯はじめに
当記事は、「プレジデントオンライン」記事ですが、倉山氏署名入りで編集者は無記名なので氏の著作として批判します。
そもそも、「中国の歴史書」などと、途方もない大風呂敷を広げていて、先ずは、失笑します。氏がどんな内容を「学校」で習ったか、読者にはわかりませんから、勝手な独りよがりにはついて行けません。公開の場で喚く前にカウンセリングをお勧めします。
*新参者の咆吼
中国の歴史書「魏志倭人伝」(3世紀末)には、邪馬台国の女王・卑弥呼の名前が記されている。憲政史家の倉山満さんは「歴史の授業では『中国の歴史書が事実』と刷り込まれるが、実際は不正確な記述が多い。『魏志倭人伝』を聖典の如くありがたがる必要はない」という――。
古代史学で言い尽くされていますが、ここには二千年後生の無教養な東夷が好む「欺瞞」と「誤解」が満ちあふれています。特に、事ごとに「実際」とする虚言癖に似て心身に負担をかけたのではないかと懸念されます。
『中国の歴史書「魏志倭人伝」』なるものは実在しないのは公然、衆知です。陳寿編纂の史書「三国志」の「魏志」第三十巻の巻末を占める小伝「倭人伝」の小見出しは存在しますが、それも、「紹熙本」と呼ばれる有力史料に明記されています。そもそも、「魏志倭人伝」に「邪馬台国」は書かれていません。これも、衆知/公知の事実です。
冒頭で、中国の歴史書を一刀両断すると宣言しておいて、実は、「魏志倭人伝」をなで回すだけというのは、何とも、みっともない腰砕けです。大丈夫でしょうか。
以下、匿名のインタビューアーは、実際は、氏の著書から引用するだけで、これに対して、何の追記もしていません。
「歴史の授業では『中国の歴史書が事実』と刷り込まれますが、実際は不正確な記述が多いのです。『魏志倭人伝』を聖典の如くありがたがる必要はない」と私見を述べ立てますが、「歴史の授業」が、保育園や幼稚園でない限り、「刷り込み」などされてないはずです。また、保育園、幼稚園は外しても、小学校の段階で、『中国の歴史書が事実』と刷り込もうとしても、漢字ばっかりでは、わけがわからないはずです。
氏は、幼児期にどんな「おとぎ話」を読んだのでしょうか。真に受けるなら釈尊以来の偉人です。それより、そのような暴言を公開して取り返しのつかない向こう傷を拵える前に、入念な検証が必要ですが、本記事を読む限りでも、氏はかなりの智識/見識欠乏症なのに、躓いて転んだり鞭打たれたりして傷だらけ、痣(あざ)だらけになっても、一向に自覚していないようで、素人目にも痛々しいのです。
「実際は不正確な記述が多い」の「多い」なるあいまい表現は根拠不明です。大抵は、一人、二人、多い程度で非科学的です。まして全二十四史対象となると、万を超える箇所が指摘できねば「多い」ことになりません。
「聖典」と称しますが、何のことか、一凡人には思い至りません。それは、仏経典なのか、旧約聖書なのか、コーランなのか、何れにしろ、それぞれの宗教の信者でも、聖典に書かれていることが「歴史的事実」と信じて「有り難がっている」のは、ごく少数派に過ぎないはずです。これもまた、裏付けのない非科学的な意見です。
アニメの街角が「聖地」と称されるなら、アニメ自体が「聖典」かも知れません。倉山氏の意識は、大部混濁しているようです。
もちろん、氏が、「魏志倭人伝」なる二千字史料を「ありがたがる必要はない」と称するのは「私見」ですが、適度の批判は許されると思います。
以下、引用は、適法な参照引用です。
※本稿は、倉山満『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。
未完
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