さて、随分頑張って、動画の音声トラックという形式で3件をYouTube公開したが、折角の成果が、ひっそり「潜伏」しているのは、ドレスアップして闇夜を一人歩くようなもので、まことに寂しいので、仏ランパル協会(ジャン-ピエール ランパル協会 Association Jean-Pierre Rampal)にお知らせした。
これに対して、ドニさんから回答があった。実名は、Monsieur Denis Verroust。ドニ・ヴェルルースと読むらしいが、名字は、どこまで似ているのか おぼつかないので、フランスで時にあるように、ファーストネームで呼ぶ ムッシュ ドニ としておく。
ドニさんのメールによれば、2006-2007年頃に、仏ランパル協会が、フランスユニバーサル(Philips音源を継承)の依頼で、ランパルの初期録音を捜索した際に、1965年に日本ビクター録音陣が収録したマスターテープをPhilipsの倉庫で発見したので、当CD Boxに収録できたと言うことであった。
Jean-Pierre Rampal / Concertos and recitals - 1961-1965" (Ref. 480 1324)
ユニバーサル (フランス) 2008年発売
当LPのマスターテープ探しは、関係者だった三井啓氏の耳にも入っていた可能性があるが、当方も、三井氏の書いたものを残さず読んではいないので、その辺はよくわからない。
と言うことで、インターネットの検索で当録音の行方を調べ直すと、前記したように、2008年頃にフランスユニバーサル)が、8巻セットCD Box発売後、近年、CD発売の権利が、Accordに移管され、今は、AccordブランドのCD Boxが現行商品として生きている。
確実な入手先は、ムラマツフルートのネットショップである。
JEAN-PIERRE RAMPAL : CONCERTOS ET RECITALS 1961-1965 VOL.1 (8CD)
ジャン=ピエール・ランパルの芸術:協奏曲とリサイタル 1961-1965 第1巻(8枚組) ACCORD 480-1324(8CD) CD-ID : 5693
ランパルのファンなら、一見の価値はあると思うが、8枚組セットは、なかなかのものである。
それ以外に、各ダウンロード販売サイトに、個別の曲が陳列されていて、こちらも、立派に生きている。手元の端末で好きなときに聞きたいときは、そちらから購入いただきたい。
Concertos Et Récitals 1961-1965 Jean-Pierre Rampal
で検索すれば、ヒットするはずである。忠実なコピーなので、アクセント記号が付いているが、Recitalsでも良いはずである。
当方は、こうしたサイトの経験が無いので、勘違いがあったとすれば、申し訳ない。
つまり、今回の成り行きをまとめると、当方は、知らずに、他人の商売の邪魔をしていることになりかねないので、謹んで待機している。
当方の意見によれば、他人の商売の邪魔をしない限り、引用音源を明記した無償公開は許されるべきだ、と言うものだが、今回は、どうも分が悪い。(ここは、消沈しているのである)
なお、ドニさんも、アップロードしたとの連絡を受け、早速耳を通して、一応好意的に「大人の」評価をしてくれたものの、事前にメールで問い合わせを受けて、当方が、当LPのデジタイズを企画していると聞いたのであれば、商用盤の後追いはやめておいた方が良いとの「大人の」意見になったはずである。
事の成り行きは、いつもそうしたものなので、徒労になるのは覚悟して、動画製作を先にし、連絡を後にした。
もっとも、LP音源のPC取りこみと静音は、もう10年以上前からの取り組みなので、音源は用意できていて、何かのきっかけを待っていたのである。
些細なことだが、レコード盤なのか、当方の機材なのか、原因はわからないものの、再生音量を上げると、少し陰りを感じるのも懸念材料になっていた。
ところが、ドニさんによれは、マスターテープにも、同様のかすかな陰りが感じられるとのことであり、むしろ、陰りを忠実に捉えたディジタイズと整音を、上出来と褒めていただいたことになっている。(ここは、大いに自慢しているのである)
手早く調べたところでは、M. Denis Verroustは、著名なフルーティストであり、音楽学者であり、インターナショナル・フリードリヒ・クーラウ協会の会員名簿(国内版)でも見かけるが、残念ながら、仮名書きの発音は書いていないのでわからない。
以上